3階建て住居は2階建てと比較すると特徴が把握しやすいです。
もし建築可能な総床面積(建坪)が3階建てと2階建てで同じ場合、3階建ては階段が2倍必要なためそのぶん確保できる居住面積が狭くなります。しかも生活において階段の昇り降りが増えるため、暮らしやすさという点でも3階建ては2階建てに対して不利と言えます。
また建築費用も同じ建坪の場合、3階建てのほうが2階建てに比べて3~4割も高くなります。例えば同じ広さであっても、2階建てが2000万円ならば3階建ては2700万円と高額になってしまいます。
なぜなら、3階建ての場合は土地に対してより多くの荷重が集中してかかるため、地盤改良にお金がかかったり、構造計算書の提出が義務化されていたり、背が高い建物になりやすいため耐震性を高めたりと、余分な作業や工事が増えるためです。
3階建てのデメリットを先に書きましたが、メリットも当然あります。同じ土地の広さに対しては、3階建てのほうが2階建てより一層ぶん床面積は多くなります。また周囲の家が2階建てばかりの場合、3階部分は風通し・日当たり・眺望が抜群に良い部屋になります。
3階建てのメリットとデメリットを考えると、3階建てを選択するのは地価が高い都心部の土地の場合ということになります。
建物の構造については鉄骨造や鉄筋コンクリート造以外にも、木造でも建築することができます。ただし木造3階建て住居は普及してからの歴史が浅いです。1987年の建築基準法の改正により、都市部の土地に多い準防火地域でも木造3階建ての建築ができるようになりました。この改正から一気に木造3階建てが普及しました。
ただ建築費用の高さや建蔽率・容積率の制限のため、3階建て住居は木造住宅着工数の全体のうち5%程度しかありません。ただし地価が高く3階建てのメリットが大きい東京都では木造住宅着工数の20%が3階建てとなっています。