賃貸併用住宅が完成間近になりました


昨年末に土地を見つけてから、10ヶ月強かかってようやく建物の完成が近づいてきました。賃貸併用住宅を取得しようと決めてから2年半が経過しています。その間に土地や建築費用の相場が大きく上昇したり、円安になって外国人観光客が押し寄せて民泊が話題になったり、マンション傾斜問題が発覚したりと、不動産に関する大きな動きがたくさんありました。

幸いにも今は景気の良い話が多く聞かれるようになりましたが、中国の経済成長の失速や、他の新興国の多くが経済失速によってだんだんと景気が悪くなる要因が増えてきています。さらに日本の人口はすでに減少しておりこれからどんどん人口が減っていく事になります。賃貸経営で家賃収入を得ることはそれほど簡単ではなくなってきています。

そこで私の場合は長い目で見て収益力の高い物件にするため、自分の賃貸併用住宅では大きな決断をしました。


直近の収益か長期的な利益か


賃貸併用住宅の最大のメリットは家賃収入を得られることですが、私の場合は直近で得られる家賃収入の多さよりも、長期的に競争力のある賃貸住戸を作ることにしました。具体的には、狭くて小さなワンルームの賃貸を3戸作るのではなく、やや広めの1DKを2戸作っています。

1戸

ワンルーム3戸を作っていれば1戸の家賃は8万円受け取れるので、8万円×3戸=24万円を毎月の家賃収入として得ることができます。一方で1DKは少し広くなるものの、家賃は11万円なので11万円×2戸=22万円が毎月の家賃収入となり、狭いワンルームを作った場合に比べて毎月2万円少なくなります。年間では24万円と大きな収入額の差になります。

このように賃貸の戸数が多いほうが家賃収入が多くなるのは当然です。ただし賃貸部屋の競争力という観点で見ると、狭いワンルームは築年数が進んで古くなると急激に競争力が低くなり、家賃も急激に下がっていくことになります。

ワンルームの収益下落は早い


私が賃貸併用住宅を建てた地域で10年後(築10年)での家賃収入の変化を見てみましょう。ワンルーム1戸の家賃は7.2万円となり、賃貸併用住宅全体の収益は3戸分で21.6万円となります。1DKの場合は1戸の家賃収入が10.3万円で、建物全体で20.6万円の家賃収入となります。月間1万円の差に縮まりました。さらに入退去にかかる清掃費はワンルーム3戸のほうが部屋数が多いので多くなります。

さらに10年後の築20年になるとワンルームの家賃は6.5万円になり、月間家賃収入は19.5万円まで減ります。さらに競合が多いため空室期間が長くなり、給湯器などの設備交換も部屋数が1戸多いので設備費用や修繕費用も一戸分余分に必要です。

給湯器交換、壁紙の全面張り替えや洗面台交換なども全て交換すると30万円は余分に費用がかかります。築20年の1DK二戸の家賃は9.4万円×2=18.8万円なので、月間家賃収入の差7千円は設備費用や修繕費を考えれば家賃収入の差など吹き飛んでしまいます。最後に残る利益額で考えれば逆転するかもしれません。

そして築年数が進むに連れて1DK2戸のほうが家賃収入が多くなり、修繕費などを考えた最終的な利益は多くなっていくと考えられます。

賃貸経営を長く続けるつもりなのか


ただしこれは長期間賃貸経営を続ける場合の選択肢です。地震などのリスクを抱えたまま20年・30年と賃貸経営を続けていくことが最も利益額が大きくなるのかは分かりません。もしかしたら築5~10年くらいで賃貸併用住宅を売却してしまうほうが結局は利益が大きくなるかもしれません。

そうなれば築5年時点で家賃収入が大きいほうが当然高値で売却できるので有利です。つまりワンルーム3戸を作ったほうが良かったということになります。ただしもしワンルーム3戸を作っていたとしたら建築費用が数百万円単位で増える見積もりだったので、もし早期に売却する場合でも正しいと言えるかは分かりません。

ただ一つ言えることは、家賃収入の多少の差はあるものの賃貸併用住宅という選択自体は有利だということです。普通に一戸建てを購入することよりずっと金銭的に楽で、一棟アパートへの投資に比べて住宅ローンという低金利の融資を受けられリスクが低いという点は変わりありません。

経済動向をしっかり把握しながら、利益が最大になるポイントを見極めて今後は賃貸経営を進めたいと思います。