サラリーマンでも賃貸併用住宅で資産形成できる方法


賃貸併用住宅という存在を知ってから都市部の住宅地を歩いて見ると、意外にも世の中に多くの賃貸併用住宅が存在している事が分かります。ただしほとんどの賃貸併用住宅の建物はとても大きく、たくさんの賃貸住居がある一棟マンションの一部が大家さんの自宅になっているような物件が多いです。

こうした大型の賃貸併用住宅はもともと住み続けていた土地を持っている地主さんに対して、ハウスメーカーが提案をして大規模な賃貸物件を建て、建物の一部に自宅を作った場合がほとんどです。つまり賃貸併用住宅は土地を持っているような地主だけに縁があるものだったということです。

ところが2000年代になった頃から、サラリーマンでも不動産投資ができると一般的に知られるような時代になり、地主でなくても普通のサラリーマンでも賃貸併用住宅を建てられることが知られるようになりました。すると普通の会社員が賃貸併用住宅を新築するのをサポートする不動産会社も登場し、一気に賃貸併用住宅をサラリーマンが取得する道が開けたのです。

今回は一般的なサラリーマンでありながら、都心の好立地に賃貸併用住宅を建てることができた私の経験もご紹介しながら、サラリーマンが賃貸併用住宅によって資産形成をできる方法をお伝えしていきます。


賃貸併用住宅を建てるために必要な条件


賃貸併用住宅はマイホームと賃貸住宅の両方の部屋が存在するため、普通の一戸建てよりも大きな建物になります。つまり建築するために必要な土地の広さもマイホーム用より少し広くないといけないため、土地と建築費を合わせると一戸建ての30%~50%増くらいの総取得費用になります。

一方で住宅ローンの借入上限金額はサラリーマンの年収によってほぼ機械的に決まります。ほとんどの銀行では年収の約7倍の金額が住宅ローンの借入上限となります。すると一戸建てよりも取得金額が大きくなる賃貸併用住宅では、希望する住宅ローンの借入金額に実際の融資可能な金額が足りないことが起こりやすくなります。

そのため年収が低くても賃貸併用住宅を取得する方法を紹介した記事で詳しく書いていますが、世帯年収を増やすか、賃貸併用住宅を安く取得する工夫が必要です。ただし王道としてはキャリアアップや出世によって年収を増やすことで、希望する条件の賃貸併用住宅を建てられることが一番シンプルかつ王道の方法です。

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土地から取得して賃貸併用住宅を新築する


ほとんどのサラリーマンは賃貸併用住宅を建てられるような土地はおろか、不動産を所有していることはほとんどありません。そのため土地なしの状態から土地探し、建築プラン作り、住宅ローン借り入れの打診など、ゼロから賃貸併用住宅の新築に向けて動いていかなければなりません。

ただ実は土地も不動産もない状態でスタートするというのは、地縁や先祖代々といったしがらみが無く冷静な状態で判断ができるために、賃貸併用住宅を建てる土地を収益性や資産性をキッチリ確保した選択がしやすいというメリットもあります。

賃貸併用住宅で資産形成するポイントは「長期に渡って安定した賃貸需要のある土地を選ぶこと」「地価が下がりにくい立地を選ぶこと(都市部・駅近など)」の2点となりますから、あわてずじっくりと賃貸併用住宅に向いた土地を探すことが大切です。

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相続した土地や実家の建て直しをする場合


もし相続により土地などの不動産を所有していたり、実家の土地活用について任される立場にある幸運な人の場合、賃貸併用住宅の新築するのは非常に簡単です。ところが簡単に賃貸併用住宅を建てられることと、その賃貸併用住宅によって収益や資産が蓄積できるかは別の話、ということはよく覚えておく必要があります。

人口が減少していく日本の状況にも関わらず、相続税対策などでアパートを中心とした賃貸物件がドンドン新築されている現状が続いています。つまり賃貸需要が少ない地域でも、建物を建てられる土地さえあれば、需給バランスなどおかまいなしに賃貸物件ができているのです。そのため賃貸併用住宅で資産形成に成功するためには、かなり立地を厳選しないと想定していた家賃収入が得られないなんて事態も十分にありえます。

もし相続して所有している土地や、実家の土地に賃貸併用住宅を建てようと考えているならば、その土地で長い間安定した家賃収入が得られるか冷静に判断する必要があります。特に人口減少が予測される地域では賃貸経営が成り立たなくなりますから、もしそういった土地を所有している場合は売却し、手元資金を増やしてより賃貸需要や資産性の高い土地を探すことになります。

中古物件で安く賃貸併用住宅を取得する方法もある


選択肢がほとんどないのですが、希望に合った中古の賃貸併用住宅を運よく見つけることができれば、新築するよりもはるかに安い価格で賃貸併用住宅を購入することが可能です。新築で賃貸併用住宅を取得するまでには、信頼できる相談先を見つけるところから多くの手順を経てようやく取得できますから、安くてしかも購入したらすぐに賃貸併用住宅が手に入る中古は魅力的な選択肢です。

ただし賃貸併用住宅は普通の一戸建てと比べると圧倒的に数が少なく、中古の賃貸併用住宅で希望に合うような物件はほとんど見つけることができません。さらに賃貸住宅部分に入居者がいる状態だと賃貸物件だとみなされて、ほとんどの銀行では住宅ローンではなくアパートローンでしか借入ができないのです。自宅と賃貸住宅の全部が空きの状態でないと、中古の賃貸併用住宅は住宅ローンで購入することができないのです。

あとは大きめの中古一戸建てを購入し、一部の部屋をリフォームによって独立した賃貸物件を作り出す方法もあります。逆に普通のアパートの中から賃貸2戸で全空室のような物件ならば、アパートでも2戸のうち片方の部屋に自分が住むことで、住宅ローンでアパートを購入することもできます。

賃貸併用住宅がサラリーマンの資産形成に役立つ理由


もしうまく賃貸併用住宅を取得することができると、あとは住んでるだけで自然に資産形成ができていくので、気持ちの余裕をもって会社員としての仕事ができるようになります。賃貸併用住宅からの家賃収入を手に入れながら、マイホームと同じように住宅ローンの超低金利の恩恵を受け、さらに住宅ローン控除などの税制優遇まで受けられるため、家計の収支が一気に改善します。

住宅ローンの返済は家賃収入によって行いますから、自分の住居費用はほぼゼロになり、しかもローンの返済が進んでいけば、賃貸併用住宅という不動産資産が自分のものになっていくのです。これはサラリーマンという住宅ローンを借りやすい立場を最大限に利用した不動産投資法だといえるでしょう。

しかも一棟アパートなどの一般的な不動産投資に比べて、借入金利が低いため支払い利息が少なく、自分で掃除や修繕がすぐできるため運営経費も少なく、自分が住んでいるため全空室といったリスクもないために、不動産に詳しくない人でも非常に安全に取り組めてしっかり資産形成できる、数少ない資産形成の方法です。

賃貸併用住宅はサラリーマンが安全かつ有利に取り組める不動産投資法


これまで見てきたように、賃貸併用住宅はサラリーマンでもちゃんと新築することができますし、上手く探せば中古物件で割安に取得することもできます。しかもサラリーマンは住宅ローンの借入しやすいですから、むしろサラリーマンが不動産で資産形成するために存在する不動産投資法とすら言えるほどぴったりの手法です。

マイホームを普通に買うことと比べると、家賃収入があることで経済的な安定性がかなり改善しますし、一棟マンションなどの不動産投資と比べても破綻リスクが少ないため、忙しいサラリーマンでも安全に資産形成することができます。

これだけインターネットにより情報があふれるようになっても、賃貸併用住宅という手法があることを知ることができた事はとてもラッキーな事だと思います。マイホームを買おうと思った人の中で、賃貸併用住宅を知り、そのメリットまで知ることができた人はどれぐらいいるでしょうか?
賃貸併用住宅というサラリーマンが資産形成できる強力な武器を知るチャンスに恵まれた人には、より賃貸併用住宅について学び、実際に新築・取得してもらうことで、ぜひ豊かな人生の手段の一つとして生かしていってもらえれば嬉しい限りです。