30代の専業主婦ファミリーが賃貸併用住宅の購入で有利になる5つの方法

賃貸併用住宅の最大のメリットは低金利かつ長期間の融資である住宅ローンで購入できることです。つまり希望通りに住宅ローンの借り入れができるかどうかが大切なのですが、賃貸併用住宅は立地が良く建物の規模も大きいため、取得金額が大きくなっても購入できるだけの住宅ローン借入可能額が必要になります。

賃貸併用住宅は建物の規模が大きくなってもその分だけ家賃収入も増えますのでリスクは低く、購入金額の大小よりも借り入れできる住宅ローン金額の大小のほうが問題になってくるのです。

住宅ローンを多く借り入れられるかどうかは世帯年収の大きさに比例します。ところが専業主婦世帯は共働き世帯に比べて世帯年収が少なくなるため、住宅ローンの借入可能額は少なくなり、希望する大きさの賃貸併用住宅を購入できなかったり、土地価格の高い都市部で購入できないために賃貸経営リスクの高い郊外の立地の物件しか買えなくなる可能性があるのです。

世帯年収が低いことに対してはサラリーマンなら給料を増やす、自営業者なら本業の収入を増やせれば良いのですが、そう簡単ではないですし昇給や好業績の安定化には時間がかかります。もっと手早くかつ確実に世帯年収を増やして希望通りの賃貸併用住宅を購入できるようになるための5つの具体的な方法を見ていきましょう。

奥さんがパートで働く(共働きをする)


世帯年収を増やすには世帯での働き手をふやすのが一番確実です。奥さんが正社員として働くのが理想ですが、もし正社員で働けなくても、パートや派遣社員で収入を増やせば住宅ローンの借入可能額をかなり増やすことができます。

増えた年収の7~8倍が借入可能額となりますので、年収100万円増やせれば700~800万円の住宅ローンの借り入れ額を増やすことができます。ただし銀行によっては奥さんはすぐに仕事を辞めてしまう可能性を見越して年収の3~4倍しか住宅ローンの借入可能額を増額してくれない場合もあります。それでも住宅ローンの借り入れ条件にかなりのプラスになる事は間違いありません。

ただし子供がいる場合は共働きは大変です。特に30代ファミリーの場合は小さな子供がいることが多く、奥さんが働くためには保育園に子供を預けることが必要になります。保育料は平均で年30万円ほどですが、賃貸併用住宅を建てるには世帯年収で600万円以上を目指す必要がありますので保育料も上がり、年間で50万円前後を支払うことになります。

それでは収入が増えても保育料で支出が増えたら意味がないじゃないかと思うかもしれませんが、住宅ローンの借入可能額の大小の基準は世帯年収であって支出の大小はチェックされないのです。頭金が貯まるのは遅いですが、住宅ローンの借り入れ額が増えるのには奥さんが働くのは効果的なのは確実な方法なのです。

貸家用に格安の一戸建てを購入して家賃収入を得る


私もこの方法で住宅ローンの借入可能額を増やしたのですが、数百万円で売っている中古の一戸建てを購入し、リフォームをして貸家として小規模ながら家賃収入を得ることで世帯年収を増やします。

実は一戸建ての貸家というのは賃貸需要に比べて供給が少なく、アパートやマンションなどと違って隣接する住居からの音や匂いの問題もほとんどないため、賃貸物件として人気があるため不動産投資対象としてもとても安定しているのです。さらに駐車場があれば駅近でなくても借り手はすぐに見つかるので空室のリスクも低いです。

しかも一戸建てというのは売り物件が全国どこでも豊富にあり、割安で売られている物件や交渉次第で安く買える物件をたくさん見つけることができます。万が一、所有している一戸建てを売ることになっても、購入者も多くいますので物件が売れずに困ることもないのです。

買ってよし、売ってよし、貸してよし、と三拍子揃った不動産投資の対象が格安の一戸建てなのです。借り手はファミリーですので長く住んでくれるというメリットもあります。

貸家用の一戸建てを購入する経験自体も貴重な体験です。後の賃貸併用住宅を購入する時にも役に立ちますので、遠回りに見えますが世帯年収が増えて不動産に関する知識も得ることができますので、まずは小さな貸家を通して不動産投資を体験してみることをおススメします。

規模は小さくても立派な不動産投資・賃貸経営ですので、ある程度は勉強をしてから取り組むことが大切です。知識の有無が将来の数百万円~数千万円の利益の違いになってきますので、不動産投資の勉強にはお金をけちらず、自分への投資だと考えて教材やセミナーにお金をかけるようにしてください。

親の家や不動産を活用する


活用できる人は限られますが、親の資産を活用して住宅ローンの借入可能額を増やすことができます。実家が住宅ローンの返済が終わった家だったり、担保設定のない不動産を親が所有している場合、賃貸併用住宅とともに親の家や不動産を共同担保に差し出すことで、住宅ローンの借入金額を大きくすることが可能です。

銀行としては住宅ローンの返済が滞った際に親の家も売却してローンの回収を行うつもりですので、返済が滞ると自宅である賃貸併用住宅だけでなく親の家まで失うことになります。とは言え賃貸併用住宅はよほど賃貸需要のない地域で建築しない限り返済不能になる可能性は非常に低いため、親の家を共同担保として活用しても一族で路頭に迷うようなことにはなりません。

ただし共同担保というのは銀行に家を差し出すという事ですので、親への説明と十分な理解が必要となります。賃貸併用住宅という仕組みの素晴らしさ、リスクの低さなどをあなた自身が把握したうえで説明できるよう、賃貸併用住宅の活用方法や事例をしっかりと勉強しておきましょう。

できる限り現金を用意する


住宅ローンの返済は収入から行いますので、世帯年収が多ければ銀行はより多くの住宅ローンを貸し出しても良いと考えます。収入が多ければ住宅ローンをキチンと返済してくれる可能性が高いと考えるからです。つまり銀行が住宅ローンを多く貸し出しても良いと考えるのは、住宅ローンの返済をしてくれる可能性が高い場合だということです。

住宅ローンの返済の確からしさとなるのは収入の大小だけではなく、保有する現金でも返済の確からしさを示すことは可能です。現金を持っていれば、その現金でローンを返済できるからと銀行は考えるからです。

例えば預金が10万円しかないけど年収1000万円の人がローンを1億円を借りたいといっても、「収入の割に預金が少なすぎて危険な貸し出し先かも」と疑われてすぐには借り入れができませんが、年収が300万円だけど預金が1億円あってローンを1億円借りたいと言えばとても簡単に借りることができます。1億円のローンの返済は、1億円の預金によって保全されているからです。

ローン金額=保有現金という極端な例を挙げましたが、ここまで現金が多くなくても賃貸併用住宅を購入する時に頭金をできる限り準備できると示せば、より安全な貸し出し先と判断してもらえて多額の住宅ローンを引き出すことができます。

用意すべき現金の目安としては、購入する賃貸併用住宅の総額が世帯年収の7倍までであれば購入金額の1割以上、購入総額が世帯年収の10倍前後と大きい場合には購入金額の2割以上の頭金は用意をしておきましょう。

もし頭金も少なく、世帯年収も低く、購入する賃貸併用住宅の総額が大きい場合、リスクが高い客だと判断されて金利の高い住宅ローンしか借りられなくなってしまいます。世帯年収を増やすことと、現金を増やすことでより有利な条件の住宅ローンを引き出しましょう。

もしかしたら家にある不用品を処分することで何十万円もの現金を準備することができるかもしれません。塵も積もれば山となると考え、まずは簡単なことから現金を増やせるよう色々と取り組んでみてください。

小さな家を住宅ローンで買い完済して資産を作る


急がば回れという言葉を体現するような方法です。30代ファミリーならば夫婦二人か、子供がいても小さいですので、50㎡以下の小さな家でも十分に暮らすことができます。ポイントは50㎡以下の小さな家というところです。

小さな家の場合、子供が大きい世帯は購入しませんし、将来長く住むつもりのファミリー層も購入対象として選びません。さらに住宅ローン控除が使えないという理由もあり、不人気物件として売れ残っているために安く購入できる可能性が高いのです。

一方で50㎡未満の家は賃貸物件としては不人気というわけではありません。むしろ狭小ワンルームには住みたくないけれど、50㎡を超える2LDK以上の部屋は広すぎる、と考える単身者やカップルは30㎡~50㎡の1DKや1LDK、2DKの賃貸住宅を探します。賃貸物件としては十分に需要があるという事です。

さらに小さくても住宅ローンで購入することができます。ただし住宅ローンには多くの銀行で最低基準面積という条件が決められており、一戸建ての場合は土地の広さが40㎡以上、マンションの場合は部屋の広さが30㎡以上が必要となる場合が多いです。小さすぎてもダメだという事です。

そこで住宅ローンで購入ができる範囲で50㎡以下を目安に小さな中古マンションや中古一戸建てを購入し、全力で繰り上げ返済をして住宅ローンを完済します。すると無借金の不動産を手に入れることができます。

こうして手に入れた不動産は自己利用して居住費をゼロにする事もできますし、賃貸住宅として貸して家賃収入を得ることもできますし、売却してまとまった現金を手に入れることもできます。賃貸併用住宅の購入を目指すならば賃貸物件として家賃収入で世帯年収を増やし、新しく購入した賃貸併用住宅に引っ越せば良いわけです。

ヤドカリのように段々と大きな家を購入しながら、住宅ローンを完済した家を次々に賃貸物件として貸し出せば、家賃収入を雪だるま式に増やすことも可能です。小さな家ではなく賃貸併用住宅を購入することが出来るようになれば、住んでいるうちから家賃収入が手に入りますので、さらに資産を増やすスピードを上げる事ができます。

小さな家を割安に購入するには、日々不動産情報サイトをチェックして相場観を養い、気になった物件があればすぐに問合せて詳細情報を取り寄せる習慣を身に付けましょう。スーパーのお買い得品を探すのと何も変わりません。しかもスーパーでは数百円の得にしかなりませんが、不動産ならば数百万円の特になるのです。