一戸建てを購入して資産作りを実現するコツ

一戸建て外観

関連記事である、資産価値が落ちない!自宅マンションを購入して資産作りではマンションに関して資産価値が落ちない条件を見ていきました。マンションの人気が年々高まってはいますが、マイホームの購入割合としてはいまだに半数以上を占める一戸建てが基本です。

私は賃貸併用住宅がベストの選択肢だと考えて自宅を建てましたが、賃貸併用住宅で資産作りをする基本は一戸建ての場合と同じですので、今回は一戸建ての資産価値の考え方について確認していこうと思います。


立地が一番大切なのは一戸建てもマンションも同じ


マンションのほうが立地が良い


資産価値を維持できるマンションの最重要ポイントは間違いなく立地です。地価の高い都心部にあり、より人気の沿線・人気の駅から駅近、さらに災害が少ない地域であればほぼ間違いありません。単純に言えば地価の高い場所ほどマンションの価格が下がりにくいため資産価値を維持しやすいです。安いマンションはまさに『安物買いの銭失い』になるわけです。

では一戸建てでは何が重要かといえば、マンションと同じく立地で資産価値が維持できるかが決まります。ただし都心部や駅近の立地の場合は建蔽率容積率が高く、マンションなどの高層建築物が建てられるため、一戸建てを建てる人はほとんどいません。大きな建物を建てられる土地に一戸建てを建てていては土地のもつ価値を最大限まで引き出せないからです。

そのため一戸建てを購入したり建築したりする場合、同じ価格帯でマンションを購入するほうが立地が良い場合がほとんどです。資産価値に一番影響する要素である立地においては、マンションのほうが良いため有利だということができます。立地が良いため生活利便性という意味でもマンションのほうが良い場合が多いです。

一戸建ては土地の占める割合が大きい


立地という最大の資産作りのポイントでマンションより不利な一戸建てですが、マンションに比べて資産価値という観点で圧倒的に有利なことがあります。一戸建てにおける資産価値のうち、土地の価値の割合が大きいという点です。

マンションでは土地の所有権(もしくは借地権)があるとはいえ、ほんのわずかな割合の土地しか所有できません。結果的に資産価値の大半が建物の価値ということになりますが、建物は劣化してしまいます。資産価値が下がりやすいのです。

一方の一戸建ては土地の割合が大きいです。土地は劣化しませんから資産価値を維持できるということになります。当然世の中の景気や需給バランスにより土地価格は前後しますが、確実に価値が下がっていく建物に比べれば安定感があります。

土地価格と建物価格の黄金比


一戸建ては土地価格の割合を高めにする


ただし一戸建てだからと言って何でもいいから買えば資産作りができる、というわけではありません。例えば都心の駅近の4000万円の土地に、1000万円の簡素な建物を建てた場合は資産価値の80%が土地ですので、資産価値は落ちにくいと言えます。劣化する=資産価値が下がるのは1000万円分の建物だけです。

ところが郊外の不便で地価の安い1000万円の土地に、鉄筋コンクリート造りの豪華な4000万円の建物を建てた場合は全く逆の結論になります。これは極端な場合ですが、土地の価格よりも建物価格のほうが高い場合、マンションと同じで、劣化により4000万円の建物はどんどん価値が下がっていくことになります。

つまり一戸建ての場合は都心で駅近の立地に家を買うのは難しいものの、地価の高い場所に家を建てたり買ったりしないと資産価値が落ちやすくなってしまいます。土地と建物の価格の割合を考える場合、土地価格ができるだけ高い場所のほうが資産価値を維持しやすいのです。

ただし良い土地に貧相な建物を建てても需要がほとんどなくなってしまいます。長年賃貸経営を行っている方が「建物価格を1としたら、土地価格が2の割合になっている、1対2というのが最もバランスが良い。」と言っていました。感覚的な話ですが、私も多くの不動産を見てきた経験から、何となく正しいのだなと思います。

マンションと一戸建ての構造物の違い


購入価格における建物と土地の資産価値割合の違いは、マンションと一戸建ての構造物の違いが背景にあります。マンションは鉄筋コンクリート造(以下RC造)で、一戸建てはほとんどが木造です。

マンションのような高層建築物を作るにはRC造で作るしかありませんが、一戸建ては様々な構造物を選択できるなかで多くの人が木造を選びます。私の建てた自宅も木造です。私も含め木造を選択する理由は明白で、建築費用が安く済むからです。他にも間取りの自由度が高いなど、様々なメリットがあります。

木造の坪単価60万円前後に対し、RC造は坪単価80万円前後と、同じ広さの建物を作っても建築費用は3割増しになってしまいます。ただし木造はRC造に比べ耐久性が低かったり、シロアリ被害がある、火災に弱いなどのデメリットがあります。最近は技術の進歩によって木造のデメリットは克服されてきていますが、相対的にはRC造よりも劣るのは仕方がありません。

考え出すと色々な特徴がありますが、普通の個人が一戸建てを建てるには木造が一番取り組みやすいため、世の中には木造の一戸建てがほとんどとなっています。

木造の建物は資産価値の下落が早い


実際の使用可能年数とは違いますが、国税庁が減価償却の基準とするために定めた、建物の耐用年数について木造とRC造の違いを見ると、資産価値の違いは一目瞭然です。木造の耐用年数は22年、RC造の耐用年数は47年です。倍以上の差があると国税庁が定めているのです。

ただし日々建物に関する技術は進歩していますので、木造の家が22年で使えなくなるわけではありません。築22年以上の一戸建ては中古不動産市場で売買物件として普通に取引されています。

ところがこの耐用年数が大きく影響するのが住宅ローンです。一戸建てを買う人のほとんどは住宅ローンを使いますが、築年数が古くなると住宅ローンの借入期間が短くなったり、住宅ローンを借りることができない場合もあります。

木造では45年まで、といった銀行の規定があるのですが、この場合は築30年の木造一戸建てならばローンの借入期間は最大15年、築50年の木造ならば住宅ローンの借入が不可となってしまいます。鉄筋コンクリート造の場合は60年や65年といった年数が基準になるため、築30年でも最大35年間の住宅ローンが組めることになります。

住宅ローンが組みにくくなるとその物件を買える人が減るため、不動産の価格は下落します。つまり住宅ローンが利用しづらくなると資産価値は下がるのです。という事は、木造はRC造より資産価値が落ちやすい、これはほぼイコールで一戸建てはマンションより建物の資産価値が落ちやすいことを意味しています。

一戸建てを購入して資産作りをするには


以上の通り様々な観点で一戸建ての資産価値について見ていきましたが、結論としては「一戸建ては土地を買う・土地をメインとして考える」ことで資産価値の高い家を購入することができます。逆に言えば、変形地で借地権の土地にRC造など豪華な建物を建てた場合、土地にあまり資産価値がなく、建物の価値下落が急速なため住めば住むほど資産が減り負債が残ってしまう家となってしまいます。

価値の高い土地はつまり地価の高い土地ということですが、都市部や駅近だけでなく、角地、整形地、南向き、日当たりが良い、30坪前後の広さなど、一般的に人気のある条件を持つ土地となります。こうした人気の土地という資産を形成するために、一戸建てを購入あるいは建築するのだ、という考えで取り組むことが資産作りの王道となります。

私の自宅も資産価値の高い土地を購入できるまでに1年半もの時間がかかりましたが、都市部の人気沿線の駅徒歩5分の場所に、整形地で南傾斜(日当たりが良い)26坪の土地を相場より安く購入することができました。あとは賃貸併用住宅に住みながらコツコツと資産を蓄積していこうと思います。