資産価値が落ちない!自宅マンションを購入して資産作り


賃貸に住むよりも自宅用の不動産を購入して資産作りをしたい!という考えの方は多くいると思います。しかし「自宅を買って資産作り」で作り出せる資産価値を計算する方法の記事で書いた通り、本当に資産となる不動産を購入するには、不動産に関する知識が必要です。

特に時間の経過=築年数が古くなることに対して、購入した自宅の資産価値がどう変化するかについての試算ができることは必須です。単なる足し算と引き算ですし、住宅ローンの計算は自動で計算してくれるサイトがたくさんありますし、スマホアプリでも簡単に計算できます。

今回は賃貸併用住宅による資産作りの参考として、マンションや一戸建てを購入する事でできる資産作りについて見ていこうと思います。

ただ、蓄積できる資産価値についてはマンションと一戸建てでは考え方や必要な知識が変わってきますので、今回は最近人気のマンション購入について、資産作りという観点からどんなマンションを選べば良いのか、具体的に解説していきます。


マンションの特徴と資産価値への影響


家を買おう!と考えるとき、まずはマンションか一戸建てかを迷うことになると思います。昔は自宅を買おうと考えたら一戸建てが常識でしたが、近年では一戸建てを購入する人がどんどん減ってきており、一部のアンケートにおいては半数以上の人がマンションを購入したと回答するようになるほど、マンションの人気は高まってきています。

マンションが人気な理由は圧倒的な立地の良さです。ほとんどのマンションは駅近くの立地であったり、幹線道路へのアクセスの良い便利な立地であったり、大規模な再開発により生活に必要な店舗が揃っている場所に建てられます。

自宅マンションの近くに商店街や大型ショッピングモールがあれば買い物に便利ですし、病院や公共施設があれば生活の質を上げることができます。不動産の価値に一番影響を与えるものが立地だというのは、不動産業界における常識ですので、立地に優れるマンションを購入することは資産価値という観点でも理にかなった選択です。

ただしマンションは購入費用のうち土地の占める割合が少なく、購入金額のほとんどを建物の価値が占めています。土地は時間が経っても劣化しませんが、建物は築年数が経過するとともに確実に劣化していきます。ビンテージマンションと呼ばれる、古くなるほど価値を増すマンションも一部では存在しますが、ほとんどのマンションでは古くなり建物の劣化とととに、資産価値も下がっていきます。

つまり、土地と建物のセットとして考えるとマンションは劣化して資産価値が下がる影響を強く受けてしまいますが、不動産の価値を最も左右する立地という観点では一戸建てよりもずっと有利なのがマンションなのです。

資産価値が落ちないマンションの条件


前述した通り、マンションの強みは立地の良さにあります。つまり、立地が良ければ良いほどマンションの資産価値も維持できるということです。では資産価値が落ちない良い立地とは何なのでしょうか?さらに立地以外で資産価値に影響する項目はないかも見ていきましょう。

・地価の高い都心/都市部


東京の都心が一番分かりやすいですが、地価の高い場所は需要が強いため、資産価値も落ちにくいという特徴があります。新しいマンションを建てる余裕がないことで需要と供給のバランスが需要のほうに大きく偏っていたり、再開発によりランドマークができたり路線が開通したりすることで人気でて需要が高まったり、魅力的な文化や歴史を積み重ねている地域であったりと、理由は様々ですが、地価の高い立地はマンションの資産価値維持にとって良い選択です。

・最寄駅から近い


賃貸で駅近物件の家賃が高くあり続けるのと同じように、マンション購入においても資産価値の維持に大きく影響します。ただし最寄駅の便利さや人気度によって大きく変わります。

徒歩10分以内が目安とよく言われますが、近年では年配の方もマンションを選ぶようになってきているため、さらに駅近のマンションだと資産価値の維持に有利となります。できれば駅徒歩5分、ギリギリ駅徒歩7分というのが年配の方がマンションを選ぶ際の基準という声が多いです。

また高齢化社会となり年配の方がマンション相場を動かすようになればなるほど、自動車の運転がしなくて済むように電車やバスでの移動が増えるため、幹線道路沿いの立地よりも駅近のマンションのほうが人気となりやすい=資産価値を維持しやすいです。

・災害の少ない地域


災害には多くの種類がありますが、水害や木造密集地での火災、地震による土砂災害や建物の沈み込み・傾きなど、様々な災害のリスクは立地によって大きく変わります。火災による延焼リスクや水害の影響については、各自治体が公表している災害ハザードマップがありますので、購入を検討しているマンションの災害リスクは必ず調べておきましょう。

最近人気の湾岸部のマンションでは、地盤の液状化により建物に影響が出たり、水害についての影響や対策についてしっかりと調べる必要があります。

・マンションの管理体制


最後に立地とは関係ないですが、マンションの管理体制も資産価値に大きく影響します。この管理体制については『住環境の維持』と『建物のメンテナンス』の2つの観点が存在します。

まず住環境の維持についてはセキュリティが充実しており防犯体制が整っているとか、民泊などによる部外者の共有施設利用を防止したり、騒音・悪臭で迷惑を互いにかけない生活ルールの浸透などが挙げられます。マンションに住む住民に関する管理体制のことです。

もう一つが建物のメンテナンスをこまめに行っているかどうか、マンション自体の管理体制についてです。建物の修繕は劣化が進んでからでは手遅れになってしまうので、小さな修繕の積み重ねと、10年単位など定期的な大規模修繕により、驚くほど建物寿命が大きく変わります。

また管理費や修繕積立金の未払い問題の有無や、マンションの管理組合が機能しているかなど、管理体制については多くのチェックポイントが存在していますので、購入を検討しているマンション同士で比較してみると分かりやすいと思います。

中古マンションのほうが資産価値が落ちない


築年数とマンション価値の変化

マンションの資産価値が落ちない=築年数が古くなった場合でもマンション価格が下落しない、という意味ですが、価格の下落ペースは購入するマンションの築年数によって変わります。上記のグラフは人気度の違いによってマンションの資産価値が築年数とともにどう変化するのかをグラフにしたイメージ図です。

上記の資産価値が落ちないマンションほど『人気』のマンションと同じような資産価値の推移となります。ただ今回注目してほしいのが、新築から築10年までの間の資産価値(売却価格)の下落が最も激しく、築20年や築30年あたりからの資産価値の下落はゆるやかになっています。

つまり、築年数の古い中古マンションほど資産価値が落ちにくいと言えます。夢のマイホームでマンション購入、という時に新築を購入したくなる気持ちはよく分かりますが、資産価値の維持という観点では中古マンションを購入するほうが資産価値を維持しやすいです。

上手くリフォームなどで住まいとしての価値を上げてやることができれば、マンションの売却益を狙うことも難しくはありません。

資産価値だけがマンション選びの基準ではない


最後にこの記事のテーマに矛盾しそうですが、資産価値だけでマンションを選んでも、自分や家族が幸せになるかどうかとは全くの別問題です。30代・40代ならば親家族に近い立地のマンションは自分にとって価値があるでしょう。逆に60代・70代ならば子供家族に近い立地は生活の充実度が上がると思います。

駅から遠くても自然の豊富な場所のマンションが良いという人もいるし、眺望が良いマンションならば他の条件は犠牲になってもいい、都心じゃなくて郊外でも広いマンションのほうがいい、という考えはよくある事です。

資産価値がほとんどなくなってしまうことで大きな損失を抱えてしまう可能性を回避するために資産価値が落ちないマンションを選ぶという観点もありますが、マンションを買って生活する日々をいかに幸せに過ごせるか、自分にとって価値あることは何か、ということをじっくり考えてからマンションを購入することをオススメします。