賃貸併用住宅に引っ越してから、約半年が経ちました。住み始めたばかりの頃はまだ対応すべきことなどが多く落ち着いた暮らしができていないかったのですが、最近は周囲の環境にも慣れ、家族も今の家での生活に慣れてきました。
最近では賃貸併用住宅に住むということについて、かなり冷静に良い点や悪い点が分かってきましたので、賃貸住宅での暮らしや、普通の一戸建て住宅の暮らしと比較しながら、私が実際に住みながら感じているメリットとデメリットについてお伝えしたいと思います。
賃貸入居者との関係
結論から言うと、メリットもデメリットもありませんでした。
賃貸併用住宅のデメリットとして、賃貸住宅の入居者が大家と同じ建物に住むのを嫌がったり、大家側が気を使って生活しなければならなかったりといった、「入居者との近すぎる関係」を懸念する意見があります。
実際に住んでみると、足音や生活音について賃貸アパートに暮らしていた時と何も変わりないですし、例え普通の一戸建てに住んでいたとしても、夜中に掃除機をかけないといった常識的な範囲で気を付けることには変わりないでしょうから、特に不便に感じることはありません。
また出掛けたり帰宅したりする時のドアの開け閉めの音が聞こえるのはアパートでも近隣の一戸建てでも変わりありません。ある程度の都市部に住んでいれば、賃貸併用住宅でも一戸建てでもマンションでも生活音などに気を付けるのはどこでも変わらないです。
また入居者が大家が近くにいることを嫌がるといったことも、入居者募集の時には特に感じなかったですし、むしろ大家が近くにいることをメリットに感じてくれたり、コミュニケーションを苦手にしていない快活な人が入居してくれたりと、現状の入居者を見る限りは少しだけプラスになっているのではと考えています。
建物や住宅設備の手入れ
賃貸併用住宅に住むようになってから、掃除をこまめにやるようになりました。また建物や設備の欠損などがあると、こまめに修理・修繕するようになりました。やはりマイホームを所有していると思うと、家に愛着が生まれてキレイにしたり修理したりといったモチベーションが湧いてきます。
アパートに住んでいた頃には家の中以外を掃除などしたことがありませんでしたが、今は玄関から道路までのアプローチだけでなく、賃貸の部屋の前や、各部屋の室外機、賃貸併用住宅の敷地の前面道路までを月に2,3回は掃除しています。敷地内にゴミが落ちていればすぐに拾ってゴミ箱に入れます。
掃除をして敷地や建物をキレイにするのはとても気分が良くなります。おかげで週末をダラダラと過ごすことがなくなり、毎週活発に活動するようになりました。これは賃貸に住んでいた頃にはなかったモチベーションです。マンションを購入した場合は違うかもしれませんが、一戸建てを建てたり購入した人はきっと同じ気持ちになれると思います。
雑草の処理・花壇の手入れ
敷地の中の土がある部分にはどうしても雑草が生えてきます。いちおう防草シートはすでに購入してあり、あとは真砂土を購入して植物が育成できないようにしたり、砂利を敷いて日光が地面に届かないようにしようと画策していますが、花壇として利用する部分にはどうしても雑草が育ってしまいます。
また自宅内には落葉樹は植えていないのですが、周囲の家からの落葉が風で飛んできたり、隣接する土地の位置が高い場所の家の庭から草や虫が落ちてきたりと、植物に関する手入れが結構大変です。敷地内が汚くなって賃貸の入居者の方々に嫌な思いはさせたくありません。
また日差しが強く土が乾燥すると、風によって砂ぼこりがたつので水をまいたりします。賃貸に住んでいるだけなら大家さんや管理会社が対応してくれていたことも、自分が大家として住んでいると色々対応が必要になって少し手間がかかります。そんなに負担ではないですが、多少手間がかかるのはデメリットですね。
完全なマイホーム用の一戸建てなら自分が好きな時に雑草処理すればいいだけですし、マンション住まいなら何の管理の手間もないですが、賃貸併用住宅は入居者への影響を考えて植物や土への対応は少し義務感が出てきます。
家族からの評価
我が家の家族構成は私と妻、小さな子供2人の4人家族なのですが、子供は新築の広い家に住めるようになって大喜びですし、妻も新しいキッチンや浴室はかなり満足してくれているようで、家族からの評価はかなり高いです。
また賃貸住宅ではほとんど見かけない、天井高3.75メートルの吹き抜けとロフトがある家にしたので、リビングの解放感はなかなか他の家では味わえません。幼稚園児がボールを真上に投げても天井に届かぐらいです。
ロフトも13畳あり、家じゅうの荷物をロフトに置いても、まだ子供2人が走り回って遊べるほどの余裕があります。新築の賃貸併用住宅は既成商品を選ばない限りは注文住宅と同じように自由設計となりますので、賃貸や建て売り住宅ではなかなか得られない住環境を手に入れることができています。
近隣住民との関係
通常の一戸建てなら自分と家族だけが近所付き合いに関係するだけですが、賃貸併用住宅の場合は入居者を含めて近所付き合いを考えなくてはいけません。もし入居者が地域のゴミ捨て場に非常識な捨て方をしてしまったら、大家である自分から注意する必要がありますし、大音量で音楽を流したり異臭を撒き散らしてしまった場合も、大家に監督責任が発生します。
ただし幸いにも問題を起こす入居者がいた場合、大家自身がすぐに気が付くことができるので、問題に対して素早く解決策を打つことができます。これがもし不動産投資として購入した一棟アパートならば、迷惑入居者の影響が他の入居者や近隣住民に行き渡り、不満が蓄積されて初めて管理会社経由で問題に気付くことになります。
幸いにも私の家の賃貸部屋は良い入居者さんに恵まれているため、特に問題になる行動などはありません。そもそも問題を起こすような入居者は、大家との距離が近い賃貸併用住宅は選択しないのではないでしょうか。ただし入居者への監督責任があるという点はデメリットと言えるかもしれません。
住居費など経済的な変化
賃貸併用住宅を建てる最大のメリットはやはり家賃収入による住居費の大幅な軽減です。固定資産税などの税金を考慮しても、いまの私は住居費はほぼゼロ円で吹き抜けのある広い家に住むことができています。しかも住宅ローンの返済が進めば進むほど、不動産という資産がどんどん蓄積されていきます。
賃貸併用住宅を建てるために、賃貸需要の高い人気駅から徒歩5分の土地を購入しましたので、資産価値の高い土地に自分も住みながら資産形成ができています。賃貸併用住宅を建てるために賃貸需要のある土地を自然と探すことになるので、賃貸併用住宅の建つ土地は必然的に資産価値の高い土地となります。
せっかくマイホームを購入しても住宅ローンを払い終える頃には大幅に価値が下がっていた、という失敗は賃貸併用住宅の場合は心配無用です。ただし住宅メーカーの営業マンの言いなりになって、賃貸需要のない実家の敷地に建物を建てた場合は全く別の話です。
新築で賃貸併用住宅を建てると、住居費が必要なくなりますし資産形成もできてしまいます。住居費がなくなることで貯金を増やせば、万が一の出費にも耐えられるようになりますし、金利が上昇した時に住宅ローンの繰り上げ返済もできるし、余分なお金を元に資産運用をすることもできます。
月々の収支の劇的な改善と資産形成の両方を同時に実現できているので、金銭的な観点では賃貸併用住宅は本当に良いものです。これからも住み続けながら賃貸経営の腕も磨いていこうと思います。