今回は住宅ローンの比較表の裏側に隠されている、とても大事な点について見ていきましょう。
住宅ローンの比較ページは最低金利の比較に過ぎない
Google検索で住宅ローンの比較サイトなどを見ると、魅力的な低金利の住宅ローンがずらりと並んでいます。ところが、実際にこれらの金利であなたが住宅ローンを借りられるとは限りません。
住宅ローンの最低金利金利で借りられる人は、年収が高い人、共働きで世帯年収が多い人、年収の割に少ないローン金額の人など、返済に余裕のある人だけです。逆に言えば、安い金利で借りられるローン金額はそんなに多くないため、例え価格以上の大きな価値がある家を買おうと思っても、あなたの世帯年収が住宅ローンの基準に足りない場合には多額の頭金を用意しなければ買うことができません。
つまり住宅ローンの比較表が載っているページの内容には、個人(世帯)の年収によって変わってしまう『借入可能額』は当然掲載されていないし、最低金利が適用される条件もローンの借主の経済状態によって変わるので書かれていないのです。
賃貸併用住宅のように、家賃収入を生み出してくれる価値の高い不動産を低金利の住宅ローンで買おうとしても、借入可能額が少ないために買えなかったり、借入金額を増やそうとすると高い金利を提示されたりしてしまう可能性もあるのです。
住宅ローンの比較はあくまでも目安であって、実際の金利や借入期間・借入可能額は住宅ローンの審査を受けてみるまで分かりません。
支払利息を安くできる様々なプランやサービスを利用する
住宅ローンの支払金利は少ないほうが良いので、金利の低い銀行や金融機関を探すのが基本ですが、金利だけで比較してしまうと通常の変動金利での比較だけになってしまいます。しかし様々な金利プランや預金連動型住宅ローンのようなサービスを利用する事で、支払利息を減らして得する方法がたくさん存在しています。
住宅ローンは毎月の返済額のうち、最初の数年は利息分の割合が高いのでなかなか元金の返済が進みません。当たり前の話ですが、借入金である元金部分がたくさん残っていれば支払利息は多くなります。なのでローン返済の最初のうちは元金がたくさんあるために支払利息が多いので、毎月の返済額の中で元金分の占める返済割合が少ないということなのです。
裏を返せば元金(借入残高)を最初のうちにいかに減らせるかで、住宅ローンの支払利息の総額が大きく変わってきます。例えば最初の10年間だけ低金利で残り25年間は金利が高いプランの場合、最初の10年間で元金を減らしておくことで、残り25年間は金利が高くても元金が減っているので実際の支払額が少ない場合もあるのです。
しかも住宅ローンは当初の計算通りに返済するだけではなく、繰り上げ返済や住宅ローンの借り換えという2つの貴重な選択肢があるため、安い金利が終わるタイミングで繰り上げ返済や借り換えをすることで、より支払利息を減らすことができます。
「最初のうちだけ低金利というプランは意味がない」と思っている人も多いですが、最初のうちに早く元金を減らす効果や、繰り上げ返済と借り換えを駆使することで、実際にはかなり得する選択肢になる可能性が高いのです。
他にも現金をたくさん持っている人の場合、預金連動型住宅ローンを使うことで万が一の出費に備えながらも、支払利息を減らしつつ、住宅ローン控除まで受けてしまうという方法を選ぶこともできます。ただし預金連動型住宅ローンは手数料がかかったり、元々の住宅ローン金利が高かったりするので注意が必要です。
単純な変動金利だけの比較で住宅ローンを選ぶのはもったいないですね。
実際に住宅ローンの審査を受けてみるのが一番
単純な住宅ローンの金利比較では一番得をするプランを見つけられないとしたら、本当に得をする住宅ローン探しはどうするのが良いのでしょうか。一つ一つの銀行や信用金庫に問合せをするしかないのでしょうか。実はこんな苦労をしなくても、もっと賢いやり方があります。
答えは、住宅ローンの審査を一括で申込むことができるサービスを利用することです。
住宅ローンは貸し倒れになりにくいローンのため銀行間での競争が激しくなってきており、各銀行とも自社で提供できる一番お得なプランを提案してきます。つまり銀行や信用金庫など複数の金融機関に住宅ローンの審査を出すことで競争が起こり、自然とローンを出してくれる金融機関から最も得をするプランやサービスを提案してもらえるようになるからです。
自分は一括で審査の申込みをするだけで、勝手に金融機関同士で競争をして自然と条件の良い住宅ローンのプランが集まってくるので利用しない手はありません。
もしたくさんの銀行から連絡を受けるのは嫌だと思う時は、まずは1つの銀行で住宅ローンの審査を受けてみて、その結果を元にさらに良い条件の住宅ローンが受けられそうな銀行を探す、という方法もあります。
どちらにせよ、自分で条件の良い住宅ローンをインターネットで探しまわるよりも、まずは実際に住宅ローンの審査を受けるのが、一番良い住宅ローンを見つけるための近道なのです。