JR東日本の列車本数削減で実感する郊外の不動産価値の下落

2015年3月14日のJR東日本のダイヤ改正で、不動産価格に影響のある重要な発表がありました。人口減少により利用者数が減っている首都圏郊外の一部路線で列車の運行本数を減らすという内容です。

列車の運行本数は生活の利便性に直接影響してきますので、削減対象の路線はさらに人気がなくなり悪循環の結果、最悪の場合は路線廃止に繋がっていきます。すると当然その路線周辺の土地の利用価値は下がりますので、不動産価格が下落するのは自然な流れというわけです。

郊外の不動産を購入するなら短期回収が鉄則


こうした鉄道路線の運行本数削減は、人口減少や老齢化が進むにつれて増えていくという状況では容易に想像できます。

さらに仕事を求める若い人を中心に、利便性の高い都心や中核都市にどんどん人が集まっていますので、郊外はますます衰退するスピードが加速していきます。60歳以上の年配層も住居の近くに病院やスーパーなどの生活インフラが揃う都市部に集まってきています。

人口が減り、交通・店舗・公共施設といった生活インフラの撤退が続くことで、郊外の不動産価値は加速度的に下落していきます。つまりどんなに土地や建物が安いと思っても、それは将来的にもっと安くなるから安いのであって、不動産の持つ価値に対して割安というわけではないということです。

もし郊外の不動産を買ったり活用したりするならば、鉄筋コンクリート造などの高額な建築費用の建物を新築で建てるのではなく、安い平屋の木造住宅や、中古物件を購入して最低限のリフォームで安く住宅を仕上げたりして、住居費用を抑えるのが鉄則です。

賃貸併用住宅の場合も郊外で取得する場合は、建物の仕様を控えめにして安く新築するか、中古物件のリフォームで初期投資額を少なくして、まだ賃貸住宅の借り手がいるうちに短期で回収する必要があるという事になります。

不動産が値下がりする前に売却して価値ある不動産に買い替える


郊外の土地・一戸建て・マンションを持っていたり、親が郊外の不動産を所有していて将来相続される予定がある場合、郊外の不動産の価値の下落はすでに始まっていますので、今すぐにでも動き出さないと知らないうちに価値がどんどんと失われていってしまいます。

もしこうした郊外の物件が値下がりしそうだと思うならば、世の中の景気が良く不動産価格が上がっている今のうちに売却してしまうのも良い選択肢です。不動産の価値が下がり切ってしまうと、最悪の場合は価格を下げても一人も買い手が現れない可能性もあるのです。

長期的な視点で今ある資産を活用しようとするならば、将来性のない郊外の土地を売却して、中核都市の中心部や東京都心の不動産に買い替えをするのが一番堅実な方法です。

不動産価格が上昇していると言っても都市部だけで、郊外は安い価格でしか売れないかもしれませんが、ますます価値が下がってしまう前に売り抜けてしまうほうが結局は得をします。

人が減って列車の運休があるかもしれない場所の不動産を持っているならば、今すぐに不動産の売却価格の査定を行ってどれぐらいの価値があるかをまずは把握することをお勧めします。