インターネットの発達により、だんだんと不動産業界の仕組みや慣例が変わってきています。最近の賃貸物件仲介サービスでは借主からは仲介手数料を取らず、貸主からの仲介手数料をもらったり、広告費付きの物件を仲介したり、わずかな月間利用料やサービス利用料のみを課金するサービスが広がってきています。中には借主に少額をキャッシュバックする会社まで出てきています。
単純に考えれば借主からの仲介手数料がなくなり、貸主からの仲介手数料のみになるので売上は半分になってしまいます。なぜこんな事が可能になるのかというと、ネットで物件紹介や案内を完結させることにより、大幅に経費が抑えられるようになったからです。
物件を紹介する店舗は必要ないのでオフィス賃料や人件費が削減でき、やり取りのほとんどをネットで行えば紙や通信費なども必要ありません。ネットではできない事は物件の内見と契約申し込みぐらいです。
しかも不動産のネット取引試験運用が2015年中に予定されており、このままネット取引が解禁になれば賃貸契約すらネットで出来るようになります。さらに物件を動画や写真で詳しく見ることができ、街や周辺環境をGoogleマップのストリートビューで確認すれば内見も必要なくなります。
そうなると不動産の仲介業がすべてネットで完結するので経費が劇的に下がるわけです。しかもインターネットでは簡単に物件の比較ができるので、貸主が公正公平な立場で競争することになるので良い部屋を割安で貸す家主だけが残っていきます。すると借主の負担が軽くなり、気軽に転居できるようになるのでさらに貸主間での競争は激しくなることになります。
過去の賃貸経営は楽に儲かる商売でしたが、インターネットの普及とともに激しい競争が行われる世界になることが予想されるわけです。しかも日本の人口は減っていくのに、新しい住居の供給はされ続けているので賃貸経営の競争はますます激しくなります。
ただしどんなに競争が激しくなろうとも、賃貸経営を工夫し良いパートナーと組むことで安定した家賃収入を得ることは十分に可能です。不動産賃貸業は自分が働かなくても収入を生み出す効率の良い商売であることは変わらないからです。
賃貸併用住宅を建てる時にはこうした時代の流れを知ったうえで、どんな立地でどういった部屋を作るべきかを考えるようにしていきましょう。