そこで今回は「低金利にこだわり総支払利息を抑えてリスクを減らす方法」と「賃貸住宅部分を多くして利益を最大化させる方法」の代表的な2つの目的別に、賃貸併用住宅のローンの利用のしかたを見ていきましょう。
低金利の住宅ローンを利用して支出を抑える
普通に自宅を買う時と同じように、住宅ローンを扱う幅広い銀行からローンを借りられるようにしたい場合、賃貸併用住宅の総床面積の50%以上を自宅部分とする必要があります。ごく一部の銀行を除き、賃貸併用住宅はどの銀行でも住宅ローンが利用でき、その条件が自宅の床面積50%以上となっているのです。
また住宅ローンの場合はアパートローンと違い賃貸併用住宅の家賃収入は考慮されず、現在の収入のみで借入可能額が決まるため、希望の借入金額に足りないこともよくあります。
理由は簡単で、賃貸併用住宅は自宅と賃貸住宅が一緒になった建物ですので、どうしても普通に自宅だけを買うようりも土地も建物も大きくなり、取得総額も大きくなってしまうからです。
ただし共働きの場合は世帯年収で審査をしてくれますし、サラリーマンの給料や自営業者の本業の利益以外に既存の不動産所得などがあれば、住宅ローンの借入可能額が大きくなり、より大きな賃貸併用住宅を購入出来たり、頭金をほとんど使わずに購入することができます。
住宅ローンの借入可能額が希望の金額に足りるようであれば普通に金利の安い銀行を探せばいいだけです。あくまでも賃貸併用住宅の床面積の半分以上が自宅になっている事には注意して住宅ローンの審査を受けてください。
住宅ローンの申請はどこの銀行も同じようなものですので、インターネットでの一括審査申し込みサービスが便利です。
家賃収入による収益を最大化したい場合
賃貸併用住宅の賃貸住宅部分を増やせば増やすほど家賃収入は増えますので収益性は上がります。ところが住宅ローンを利用するには自宅部分の床面積を50%以上にしなければならないという制限があります。それでも賃貸部分を増やしたいときはどうするか。
実はスルガ銀行とゆうちょ銀行の場合は、賃貸併用住宅の自宅部分の床面積が1/3以上あれば住宅ローン利用OKとなっています。これならば賃貸住宅を2/3まで確保でき、一般的な住宅ローンの場合と比べて同じ大きさの建物でもより高い家賃収入を得ることができます。
※ゆうちょ銀行はスルガ銀行の住宅ローンを代理受付しているだけなので、2行の住宅ローンはどちらも同じスルガ銀行の『夢舞台』という商品です。同じ商品なので以後はスルガ銀行のみの表記とします。
床面積の制限が緩いだけではなく、スルガ銀行の場合は借入可能額も年収の10倍程度まで簡単に貸し出してくれます。ところがスルガ銀行は金利が高いという唯一にして最大の弱点があります。私が賃貸併用住宅の融資の審査を受けた時に提示された金利は3.5%でした。ただしこれでは賃貸併用住宅にしても低金利の恩恵を受けることができません。
こうなるともう住宅ローンにこだわる必要はなく、アパートローンを受けて物件を買うことにするほうが条件はよくなります。賃貸併用住宅だとしてもアパートローンならば自宅部分の床面積の割合は関係なくなりますし、上手くいけば1%台の金利で借りられる可能性もあります。
つまりアパートやマンション一棟を購入して、その一室に住むという形式に近いです。賃貸住宅から得られる家賃収入が多くなるためローン返済額を差し引いても、規模によりますが毎月何十万円というお金を手元に残すこともできるのです。
この場合は完全に不動産投資ですので、賃貸経営の知識を身に着ける必要があります。