賃貸併用住宅は住宅ローンを使えるので有利

住宅ローンは不動産を買うときに一番優遇されているローンです。低金利、長期間の借り入れができて、月々の支払い金額をとても少なくすることができます。

特に最近では、市場最低金利を更新しました、というニュースが飛び交うほどに金利が低いため、住宅ローンは1%以下が当たり前になってきています。

ソニー銀行やSBIネット銀行などネット銀行の中には0.539%などという信じられないほど金利が低い商品もあります。メガバンクでも最低金利は0.775%で借りられますので、どこの銀行で借りても低金利の恩恵を受けることができるのです。

一方でアパートなどの投資用不動産を購入しようとすると、アパートローンのような事業性のローンを利用する事になります。よほど実績がないと金利は安くならず、3.5%などの高い金利でローンを組むしかありません。

金利が1%違うと支払利息は何万円変わるのか


1%以下の住宅ローンと言っても、金利の数字だけ見ると1%とか2%という小さな数字の差なので、いまいちどの程度お得なのかがわかりません。そこで35年ローンを組んだ場合にどのくらい総支払利息が違うのか計算してみます。借入金額は5000万円にして金額の差を見てみましょう。

・借入金額5000万円 借入期間35年の場合

金利 月返済額 総支払額 総支払利息
1% \141,143 \59,279,997 \9,279,997
2% \165,631 \69,565,182 \19,565,182
3% \192,425 \80,818,540 \30,818,540

なんと金利が1%違うだけで1000万円も総支払利息に差があります。同じ規模の不動産を買い、同じ金額のローンを借り入れても金利が低ければ1000万円単位で得になるのです。

賃貸併用住宅なら住宅ローンで不動産投資ができる


これほどまでに有利な住宅ローンですが、対象となるのは自宅を購入する時だけです。収益性のある不動産の購入では金利の高い事業性ローンを使うしかありません。

ところが賃貸併用住宅だけは特別扱いで、収益性のある賃貸部屋が含まれていても、低金利の住宅ローンを使って購入することが出来るんです。

もちろん自宅部分があるので収益性は一般のアパートと比べると低く、家賃収入はそれほど多くはないですが、低金利のため住宅ローンの返済額は少なくなるので、万が一、賃貸部分が空室になったとしても給料などから返済ができる範囲なので、リスクを抑えて収益物件を購入することができます。

賃貸併用住宅で住宅ローンを利用するための条件


賃貸併用住宅ならばどんな物件でも住宅ローン使えるわけではありません。新築でも中古でも、取得する建物の総床面積の半分以上が自宅用である必要があります。銀行によって50%以上だとか51%以上だとかの差はありますが、自宅を半分取った建築プランを作ろうとするとだいたい55%程度は自宅になりますので小さな差は気にしなくても大丈夫です。

スルガ銀行(と提携先のゆうちょ銀行)の場合は自宅部分が1/3以上あれば住宅ローンの利用OKなので、賃貸部分の大きい建物でも住宅ローンを利用することができます。ただし住宅ローンにも関わらず金利は3.5%前後と高いのであまりメリットはありません。

なので基本的には半分を自宅として、残り半分を賃貸部屋として建築プランを考えます。家族の人数が多い場合には2/3を自宅にして残り1/3だけ賃貸にするなど、自宅部分を大きくする分には住宅ローンが利用できるので問題ありません。

住宅ローンの借入可能額を参考にして建築プランと土地探しをする


低金利のため支払利息の少ない住宅ローンを活かすためには、住宅ローンの借入可能額を把握しておくことが大切です。頭金+住宅ローン借入金額が賃貸併用住宅の建築費用の総額となりますので、自然と買うことのできる坪単価の土地がわかるようになります。

ただし住宅ローンの借入可能額で自分が取得できる賃貸併用住宅の総額を制限してしまうと、不便な立地を選んだり、安いけれど将来性のない土地を選んでしまう恐れもあります。借入可能額を増やす方法や、自分が組める住宅ローン金額を超えて賃貸併用住宅を住宅ローンで手に入れる力技もありますので、最初は大きめの金額で理想に近い土地や建築プランを考えておくほうが良いです。