土地を買って賃貸併用住宅を建てると土地が無料で手に入る


賃貸併用住宅は資産作りに有効な不動産投資の一種です。賃貸併用住宅に限らず木造の一戸建てでも同じことが言えますが、土地付きの自宅を買って資産形成というのは、資産=土地を買うという意味とほとんど同じです。建物にほとんど価値は見出せません。

所有している土地に賃貸併用住宅を建てる場合はまた別の考え方が必要ですが、特に資産もないサラリーマンや自営業者が不動産で資産作りをしようとする場合、土地を購入して賃貸併用住宅を建てるのは強力な資産形成の方法となります。

ただし資産=土地だということに気が付かず、一生懸命に建物プランを考えることに自分の時間を使ってしまうと、資産形成に最も重要な土地探し・土地選びがおろそかになってしまいます。

さらには賃貸部分からの家賃収入は立地に大きく左右されることを考えれば、賃貸併用住宅の成功は土地で8割決まると言っても過言ではありません。良い土地+賃貸併用住宅という仕組みが揃えば、あとはある程度の建物を建てて、そこに自分が住んでいれば自然に資産が出来上がっていくことになります。

ではどんな観点で賃貸併用住宅の土地を探せば良いのか、どんな考え方を知っていれば資産形成で得をするのか見ていきましょう。



土地と建物には資産価値の大きな違いがある


建物というのは築年数とともに劣化していきます。特に銀行が建物価値の基準とする木造の耐用年数22年という観点で考えれば、22年間という短い期間で急激に資産価値が下がっていくという性質があることになります。

さらに新築物件として建物ができたばかりの時の市場価値と、ほんのわずかな間でも住居として使用して中古物件になってしまえば一気に2割の市場価値下落となってしまいます。

この建物の価値下落の激しさに対して、土地は劣化することはありません。純粋に市場の変動だけで価格が決まります。ただし人口が減少していく日本では、価値のある土地というのは非常に限られた立地の土地だけになっていくことは間違いないでしょう。

資産価値の高い土地の選び方


土地の価値については不動産に詳しくなくても、何となく知っている方が多いと思います。具体的に資産価値の高い土地の条件は以下のようなものがあります。

駅近

人気の駅、ターミナル駅から徒歩5分以内など。

整形地

四角に近い形で土地の制限いっぱいの建物を建てられる。

間口の広さ

道路と土地が接する部分が広い。逆に間口の狭い敷地延長は価値が低い。

角地や二面道路

道路から土地への入りやすさ。

前面道路

幅が広い道路と接する方角。商業用ならば人の通行量の多い道路。
住居用ならば日照を確保しやすい南道路ほど価値が高い。

ブランド立地

銀座や表参道などエリア全体に対する価値。住居用として人気があるのは恵比寿や吉祥寺など。

平坦さ

平地で建物を建てやすい土地。土地から駅や商業地域など主要な場所への間が平地かも重要。
ただし南傾斜と呼ばれる南側に向かって下がる土地は日当たりが良いため価値が高い。

眺望

周囲よりも高さがあり見晴らしが良いだけでなく、都心の摩天楼やレインボーブリッジ、東京スカイツリーなどランドマークが見えるかも重要。

高台

水害を中心とした自然災害を受けにくい土地。同時に眺望も良いことが多い。

土地用途

住居用だけではなく商業用としても使える立地。例えば浅草は下町の暮らしやすさと観光商業地としての二重の価値がある。

住環境

閑静な住宅街であったり、商業地区でも下町エリアなどは人気があります。
逆に幹線道路沿いで空気が汚れていたり、崖の側だったり、日当たりや風通しの良くない場所は価値が低いです。

店舗や公共施設、病院の近さ

生活に必要な施設の利用しやすさや施設自体の利便性。

賃貸併用住宅を建てる時の土地と建物価格のバランス


極端なことを言えば、ブランド立地の駅近という立地で建物評価額がゼロのボロボロの一戸建てが建つ土地を購入できれば、全く資産価値の下がらない不動産を購入できたことになります。

ただしボロ家を直しながら住むのが趣味の人なら良いですが、生活の質は大幅に落ちてしまいますし、我慢してボロボロの一戸建てに住まなくても、賃貸併用住宅なら住居費ほぼゼロで新築の家に住むことができます。

ただし資産価値のある土地を手に入れるというのが資産形成の主な目的なので、土地に対して豪華な建物を建ててしまっては建物価値の下落によって資産作りの障害になってしまいます。

賃貸併用住宅は自宅と賃貸住宅が併設されるためどうしても大きな建物になりやすいですが、理想的と考えられるのは土地価格:建物価格=2:1となるバランスです。

2:1ならば土地による資産形成をメインとしながらも、その土地が稼ぎ出すことができる家賃収入も十分に得られる建物が建ち、自宅としての満足できる家ができます。

ただしこの2:1のバランスを達成しようとすると、どうしても都心の駅近立地やブランドエリアの土地、地方ならば商業としても使える一等地に近い、坪単価の高い土地になります。

あくまで目安ですが、土地:建物=2:1を達成するにはかなり土地に比重を置かないと達成できないので、多少建物の仕様を簡素にしたり住宅設備のグレードを下げてでも、より良い土地を探して買うほうが資産形成には圧倒的に有利となります。

住宅設備の良さは後からいくらでも追加できますが、立地だけはどうしても変えることができないので、土地に出来る限りの予算を配分するという方針は自分が住んだり賃貸住宅からの家賃収入を得たりする観点でも正解と言えます。

良い土地の発見は多くの情報収集から始まる


良い土地を手に入れるためには、自分が賃貸併用住宅を建てたいと思える土地情報を積極的に探すことから始まります。athomeやsuumoなどの不動産情報サイトで検索したり、不動産会社に問い合わせをして情報をもらったり、賃貸併用住宅のアドバイスをくれる会社に土地探しの方針を相談してみたりと、今すぐにできることは色々あります。

思い立ったが吉日と言う通り、良い土地を見つけたいと思ったら今すぐできる行動から始めてみることをオススメします。