市場価値的にも、自宅の階段は手すり付きが絶対に良い。


一戸建てに住んでみると分かるのですが、階段は意外と危険な場所です。今回は階段に手すりが必須の理由を解説していこうと思います。危険回避や便利さという意味だけではなく、手すりを付けることによる以外な効果についてもお伝えしていきます。


子どもが安全に階段の昇り降り


私の家には小さな子供が2人いるのですが、この子たちが階段を昇り降りする時に手すりは必須です。上の子は幼稚園生で、手すりに捕まりながらゆっくりと階段を移動します。まだ昇りの時には階段に手を付いて昇ることもできますが、降りる時には手すりがないと怖くて降りられないようです。体重移動がまだ身に付いていない幼児には階段はとても危険な場所だということです。

さらに下の子はまだ1歳になったばかりで歩いたり階段の昇りだけではできるのですが、やはり親が抱っこして階段を移動することが多いです。大抵は子供と荷物を同時に持っているため、安全に階段を移動するには親のために手すりが必要です。私も何度か手すりに捕まっていたおかげで回避できた危険が何度かあります。

手すりのために階段の幅が狭くなるのでは、と建築プランを考えている時には心配していたのですが、実際は十分な幅がありますし、手すりがない時の危険を考えると本当に付けて良かったと思います。

視覚を遮る大きな荷物を運ぶとき


冷蔵庫などの大型の家電はさすがに運送業者の方に運び入れをお願いするのですが、収納ケースや布団など、そんなに重くないものの容量の大きな荷物を自分で運ぶとき、階段の手すりは非常に頼もしい存在となります。

大きな荷物を持ち上げるとどうしても視界を遮られてしまうため、手すりに沿ってゆっくりと運ぶことで階段という難所でも上手く切り抜けることができます。また、手すりに荷物の一部を乗せて、滑らせるように持ち上げることもできるので手すりの効果は絶大です。


シニア層の昇り降り補助


自宅には自分の同居家族だけではなく、知人や親族もやってきます。両親や祖父母は親族の中でもよく家に来ることになりますが、60歳以上になるとやはり階段は体力的に厳しい場所です。手すりがあることで安全に昇り降りできるのは子供と同様ですが、子供よりも身体が大きい分、手すりで身体を支えることの重要さはより高いです。

シニア層の骨折原因として階段から滑り落ちるというのがよくありますから、手すりがない家は60歳以上の方にとっては命がけと言っても過言ではないほど危険な場所だと言えます。

売却価値を高めるため


今の不動産市場の価格を左右するのは、最もお金を持っている顧客層にとって価値があるかどうかです。その顧客層とは60歳以上のシニア層です。金融資産の約半分はシニア層が保有しており、さらに貯蓄額と負債額を計算に含めた“純資産額”では9割を60歳以上のシニア層が占めているという統計値もあります。

つまり日本の富をシニア層がほぼ独占しており、買い手の人数という意味でも団塊の世代を中心とした60代・70代は圧倒的な購買力があります。不動産は価格が高額なため、購入できる資本がある世代の意向が大きく反映されることになります。

シニア世代に人気のあるマイホーム用の不動産となると、近年では都市部にあるマンションです。エレベーターが完備され、バリアフリーになっているので身体を動かしづらくなってきても、ケガなどをする心配が低いため安心です。都心の郊外や地方では平屋が人気と言えます。

ただし階段のある不動産は全く購入されない訳ではなく、賃貸併用住宅のように家賃収入という経済的なメリットが大きく、広い自宅と賃貸住宅を入れ替えて住むという選択肢もある不動産もシニア層に人気です。土地を所有しているシニア層向けに、土地活用として賃貸併用住宅をハウスメーカーが盛んにアピールしていることからも需要の大きさが分かります。

賃貸併用住宅をもし売却する事になった場合、こうしたシニア層向けにメリットのある十せく設備が揃っているかで売却価格を大きく左右する事になります。シニア層向けの設備として、階段に手すりを付けておくことは市場価値を高めることになります。

建築プランや住宅設備を考えるときは、自分たちに必要なものを検討するのは当然ですが、不動産価格を左右しているシニア層向けにも考慮した設備にすることで、資産価値を維持しやすくなります。この考え方を元に、様々な物件情報を探したり、ハウスメーカーと会話をすると見えてくる価値があるので、ぜひ覚えておいて頂ければと思います。