ポケモンGOが不動産投資に与える影響 ブームだけでは終わらない問題とは


ポケモンGOが各地で大ブームを巻き起こしています。しかも日本だけの話ではなく、海外も含めてポケモンGOをプレイしていない人も巻き込んで大騒ぎになるほどの影響を与えています。

2016年7月22日に日本でポケモンGOの配信が開始されました。海外では7月初旬から配信開始され、アメリアでは開始1週間で利用者6500万人を越えるほどの人気で、日本でもスマホを持ちながら歩き回る人々であふれ返っています。私もポケモンGOのユーザーの一人です。

早くも社会現象となっているポケモンGOについて、今回は賃貸併用住宅への影響を考えるため、不動産投資や賃貸経営にどう関わってくるか、どう活かしていけば良いのかをお伝えしていきます。

ポケモンGOの基本と特徴


ポケモンGOとはスマートフォンで遊ぶゲームです。アプリをダウンロードすることで遊ぶことができます。基本的には無料で遊ぶことができるゲームで、ゲーム内で使うことのできる強力なアイテムを購入しようとする場合に利用料を支払うことでゲームを有利に進めることができます。

一番の特徴はGPS・位置情報を利用してユーザーの現在地とゲームが連動していることです。ユーザーはゲームを進めるために、現実世界で実際に歩いてランドマークや近所の目立つスポットに出掛ける必要があります。


普段は子供や親子連れが数組しかいないような公園も、ポケモンGOが配信された初めての週末には多くのゲーム利用者が訪れたため、普段の週末の数十倍の人で埋め尽くされるという現象まで起きています。

上記写真の公園入口は、週末でも子供が4~5人ほど時間を空けて入ってくる程度の場所なのですが、ポケモンGOのユーザーが頻繁に出入りしているために常に100人前後の人が行き交っていました。

家の中でじっとしていては何も進まないので、外を歩き回りながらモンスターを捕まえたり、アイテムを手に入れていくことになります。

地方や郊外ではこのゲームを進めるためのスポットの数が少なく、都心では逆にスポットが密集して存在しているため、都心のユーザーは有利にゲームを進められます。郊外のユーザーは都心に行こうとする動機が発生することになります。


ポケモンGOが賃貸住宅にどう影響するか


特徴として都心のほうが有利にゲームを進められるため、ポケモンGOの熱心なユーザーはより都心に住みたいという心情になります。


大学進学で一人暮らしをしている学生さんや、結婚をしていない一人暮らしの社会人などは転居について阻害要因が少ないですから、金銭的負担がそれほど大きくなければより都心の賃貸住宅に引っ越しをしようと考えます。

シェアハウスなどの場合はより簡単に引っ越しできますから、ポケモンGOを理由により都心の賃貸住宅やシェアハウスに転居する可能性は十分にあります。

実際にゲームをプレイしてみると分かるのですが、ターミナル駅だけでなく主要沿線の駅近くや、住民が多い地域、人気の観光スポットなどの近くはゲームに必要なスポットが多数密集しています。特にユーザーの多い大学構内のスポットは賑わっています。

自宅の近くにこうしたスポットが多数存在しているとゲームに有利ですから、実際にゲームユーザーが多いスポットに近い賃貸住宅は、入居者募集の際にキャッチコピーにポケモンGOを書くことで、一部の熱烈なユーザーに長期間住んでもらえる可能性があります。

ポケモンGOが特に有利になる場所


ポケモンGOでは珍しいレアポケモンを捕まえることで、とても有利にゲームを進めることができます。このレアポケモンが出現したとインターネット上で報告されている特定の場所があります。例えば代々木公園や新宿御苑といった有名な公園や、渋谷や新宿といった大規模ターミナル駅が該当します。

こうした場所のすぐ近くに住むには家賃が高過ぎますので、渋谷や新宿に近く、交通機関のアクセスが良い駅や街は人気化します。こういった超都心だけではなく、錦糸公園や昭和記念公園、目黒川などもレアポケモン出現場所として情報共有されていますから、こうした場所にアクセスのよいJR沿線や地下鉄や東急・小田急・京王・西武・東武といった私鉄沿線は賃貸募集の際にアピールしていきましょう。

地方・郊外の過疎化が加速するのはポケモンGOに限らない


ポケモンGOによって都心への居住志向はより強まっていくことになります。地方・郊外の過疎化が進むことになり、利回りが高い地域の入居率が下がることで、実質的な収入は減っていき投資効率は実は良くない、という結果を招く恐れがあります。

しかもこうした過疎化の問題はポケモンGOの人気が下火になっても、同じようにGPS・位置情報を利用したゲームが人気になれば、より交流を楽しみやすい都心が人気化するのはゲームやアプリが変わっても変わりありません。つまり1~2年の一過性の話ではなくなっているという事です。

都心の好立地というのは、入居率が高いから利回りが低いだけではなく、こうした不動産の範疇を超えた価値が存在するからこそ、高い価格で取引されているわけです。いまは想像すらできないような価値が、都心・都市部では将来発生するかもしれないのです。

人は想像できないことや、想像の範囲を超える可能性を過小評価する傾向があると言いますから、収益観点だけではない「新たな価値が創造される可能性」に対して、投資をしてみると驚くような結果を得られるかもしれません。