実際に検討した賃貸併用住宅の土地と間取り その1

私の実体験として、2015年2月に賃貸併用住宅のための土地を契約するまで間に、建物プランや間取り図まで検討を進めた土地がいくつもあります。また中古住宅の賃貸併用住宅の購入も何件か検討したのですが、購入には至りませんでした。

そこで今回は間取りまで検討しながらも結局買うのをやめた土地や、中古の賃貸併用住宅をなぜ買わなかったのかといった理由と共に、どんな賃貸併用住宅を検討してきたのかという体験談を書いていきたいと思います。

たくさんあるので何回かに分けてお伝えしてきます。

賃貸併用住宅の土地候補1件目


住所:東京都世田谷区
立地:東急人気路線 急行停車駅 徒歩8分
面積:73平米(セットバック後)
用途:第一種中高層住居専用地域
権利:所有権
建ぺい率:60%
容積率:160%
価格:6000万円
形状:台形
接道:南側3.3m公道、間口:6m
賃貸併用住宅プラン:木造2階建ての長屋タイプ
[1階の間取り]ワンルーム20平米+ロフト10平米付き×2戸
[2階の間取り]1LDK40平米・ロフト20平米付き(自宅)

1件目は賃貸物件として非常に人気のある駅から徒歩8分の割と長方形に近い形の台形の土地です。賃貸住宅は2戸ですが、新築ならば1部屋10万円の家賃が取れますので家賃収入は月20万円の賃貸併用住宅です。

この土地の立地は非常に良いのですが間口が6mと少し狭いため、自宅と賃貸2戸の3つの入口を持つ賃貸併用住宅を作るにはギリギリです。さらに南側道路のため北側斜線制限により2階の自宅部分の屋根が大きく削られてしまうのもあり、土地の買付け意思を出す前に検討をストップしました。

賃貸併用住宅の土地候補2件目


住所:東京都世田谷区
立地:東急人気路線 急行停車駅 徒歩6分
面積:69平米
用途:第一種中高層住居専用地域・近隣商業地域
権利:所有権
建ぺい率:60%・80%
容積率:200%・300%
価格:5800万円
形状:台形
接道:東側5m公道、間口:11m
賃貸併用住宅プラン:木造3階建ての長屋タイプ
[1階の間取り]シェアハウスLDK+シェアハウス個室1戸の合計45平米
[2階の間取り]シェアハウス個室6戸の合計45平米
[3階の間取り]1LDK45平米(自宅)

2件目の土地も非常に人気があるブランド駅の徒歩6分の土地です。用途地域が第一種中高層住居と近隣商業の2種類にまたがっている土地であるため、土地に比べてやや大きめの建物を建てることができました。1フロア45平米の建物を3階建てまで作れます。

木造3階建ての場合は色々な賃貸併用住宅の間取りを作れますが、最寄りの駅のブランド力を活かして2/3を賃貸住宅として家賃収入を最大限取れるプランを選択しました。さらに賃貸部分はシェアハウスが一番収益性が高いという事で7部屋×5.5万円=38.5万円が1か月あたりの見込み家賃収入です。

自宅部分が1/3になってしまうと住宅ローンが使えなくなってしまいますが、スルガ銀行とゆうちょ銀行の住宅ローンならば自宅部分が1/3でも利用できます。さらに住宅ローンではなく金利が多少高いアパートローンを利用しても、十分に手元にお金が残ると考えて土地を購入しようとしていました。

ところがこの土地は真横が線路で、かなり頻繁に電車が往来しています。しかも建てようとしている建物は木造なので、音や振動がかなり伝わってくる可能性が高く、入居希望者が少なく賃貸住宅としては不人気になりそうだったため検討を途中でやめました。

賃貸併用住宅の土地候補3件目


住所:東京都目黒区
立地:東急人気路線 急行停車駅 徒歩8分
面積:121平米
用途:第一種中高層住居専用地域
権利:所有権
建ぺい率:60%
容積率:160%
価格:6000万円
形状:路地状敷地(旗ざお地)
接道:東側2.3m私道、間口:2m
賃貸併用住宅プラン:木造2階建ての長屋タイプ
[1階の間取り]ワンルーム18平米+ロフト9平米付き×3戸
[2階の間取り]1LDK51平米・ロフト25平米付き(自宅)

こちらも東急線で人気のある駅から徒歩8分、高級住宅街の中にある静かな立地の土地です。道路に接している幅がギリギリ2mの、いわゆる敷地延長の土地です。ただし121平米・約37坪もあるにも関わらず価格が安いため、坪単価で見ると周辺の土地に比べ4割ほど安いです。

これだけ広い土地だと木造二階建てでも1フロアに3部屋の賃貸住宅を確保する事ができます。さらに自宅部分は70平米の広さが確保できるので、高級マンションを買うのと変わらない生活ができます。賃貸部分の家賃収入は9万円×一部屋、9.5万円×二部屋で月に28万円です。多少金利の高い住宅ローンを利用しても収支は十分にプラスです。

ところがこの土地には問題がありました。敷地延長(通路)部分が左右の塀の中心、つまり敷地の境界で見れば2mあるので再建築ができるのですが、既存の塀の内側同士だと2mの幅が確保できません。

敷地延長の幅が2mないから再建築不可というわけではなく、実は普通に自宅を建てるだけならばこのままでも問題ないのですが、賃貸併用住宅を建てるには左右の塀を一度取り壊す必要があるのです。すると左右それぞれの隣地の所有者に塀を壊す許可をもらう必要があるという事です。

もちろん私は賃貸併用住宅を建てたいので、それぞれの隣地の方に塀を壊す許可をもらいに行きました。右側の隣地の方は問題なかったのですが、左側の隣地の方は全く話になりません。しばらく粘りましたが交渉は無理と判断し土地の購入を断念しました。

今回は以上です。4件目以降の土地候補はまた別の投稿にします。