今回はそういった難点を持つためにずっと売れ残っている土地と、これらの土地の難点に潜んでいるリスクをお伝えしていきます。
賃貸併用住宅の土地候補13件目
住所:東京都世田谷区
立地:東急沿線 普通停車駅 徒歩4分
面積:97平米(セットバック後)
用途:第二種住居地域
権利:所有権
建ぺい率:60%
容積率:160%
価格:5000万円
形状:路地状敷地(旗ざお地)
接道:東側3.5m公道、間口:3m
賃貸併用住宅プラン:木造3階建ての長屋タイプ
[1階の間取り]シェアハウスLDK+シェアハウス個室1戸の合計45平米
[2階の間取り]シェアハウス個室6戸の合計45平米
[3階の間取り]1LDK50平米(自宅)
13件目の土地は不動産会社に訪れた時に紹介された土地のうちの1つです。全部で6つの土地を車で見て回ったのですが、唯一希望の建築プランを作ることができる土地でした。
他の土地は駅から遠かったり、間口が細長い土地で玄関の確保が難しかったりで賃貸併用住宅の条件に当てはまる物件はありませんでした。そんな中、路地状敷地でありながら大きな建物を建てられるこの土地に出会った時はとても嬉しかったです。
さらにこの土地は掲載されていた情報では第2種高度地区となっていましたが、現地で確認したところ第3種高度地区だったので、木造3階建てを建てるのに非常に都合の良い土地だということもわかりました。
第3種高度地区とは何が良いのかと言うと、例えば木造3階建て住宅などの背の高い建物は斜線制限によって屋根の形が一定の傾斜に沿って高さを抑えられています。第3種高度地区とはこの斜線制限が高さ10mまでは一切制限を受けない地区の土地だということなのです。
木造3階建て住宅ならば頑張って10mの高さになるくらいなので、第3種高度地区なら斜線制限を受けて建物の一部の高さを抑え込まれる心配はほぼなくなります。3階建ての賃貸併用住宅を考えるにはこれ以上ないほど良い条件です。
想定される家賃収入はシェアハウスの個室1つ当り5.5万円なので、5.5万円×7部屋=38.5万円とかなり満足のいく収入が得られます。
他の土地は駅から遠かったり、間口が細長い土地で玄関の確保が難しかったりで賃貸併用住宅の条件に当てはまる物件はありませんでした。そんな中、路地状敷地でありながら大きな建物を建てられるこの土地に出会った時はとても嬉しかったです。
さらにこの土地は掲載されていた情報では第2種高度地区となっていましたが、現地で確認したところ第3種高度地区だったので、木造3階建てを建てるのに非常に都合の良い土地だということもわかりました。
第3種高度地区とは何が良いのかと言うと、例えば木造3階建て住宅などの背の高い建物は斜線制限によって屋根の形が一定の傾斜に沿って高さを抑えられています。第3種高度地区とはこの斜線制限が高さ10mまでは一切制限を受けない地区の土地だということなのです。
木造3階建て住宅ならば頑張って10mの高さになるくらいなので、第3種高度地区なら斜線制限を受けて建物の一部の高さを抑え込まれる心配はほぼなくなります。3階建ての賃貸併用住宅を考えるにはこれ以上ないほど良い条件です。
想定される家賃収入はシェアハウスの個室1つ当り5.5万円なので、5.5万円×7部屋=38.5万円とかなり満足のいく収入が得られます。
ところがこの土地は一つ大きな弱点がありました。立地です。最寄り駅は乗降客数がかなり少ない駅で、駅周辺には店がほとんどなく駅周辺も含めて住宅が並んでいる地域なんです。スーパーやドラッグストアなどの店舗はほとんど幹線道路沿いにあり少し遠く、何とかコンビニは徒歩3分の場所に1軒ありますが、それ以外は何もありません。
この土地は売り出されてから半年以上は経っていますが、この記事を書いている今でも売れ残っています。価格は5000万円から4200万円まで下がっても売れていません。建物や設備がいくら良くても住まいとして便利な立地でなければ意味がないという事がよくわかる土地でした。
賃貸併用住宅の土地候補14件目
住所:東京都世田谷区
立地:東急人気路線 普通停車駅 徒歩6分
面積:101平米(セットバック後)
用途:第一種住居地域
権利:所有権
建ぺい率:60%
容積率:160%
価格:5200万円
形状:南北に長い長方形
接道:北西側2.1m私道、間口:9m
賃貸併用住宅プラン:木造2階建ての長屋タイプ
[1階の間取り]ワンルーム24平米+ロフト12平米付き×2戸
[2階の間取り]2LDK50平米・ロフト25平米付き(自宅)
もしくは中古住宅のフルリフォーム:木造2階建ての共同住宅タイプ
[1階の間取り]4DKシェアハウス48平米・個室4部屋とダイニング
[2階の間取り]1LDK51平米(自宅)
14件目の土地も不動産会社から提案してもらった物件です。古家付きの土地で前面道路が約2メートルと狭いので、解体工事や新築工事が割高になる土地です。それでも東急線の人気沿線で都心からすぐの駅から6分で、30坪が5200万円というのはかなり割安です。
あまりに割安な土地の割には数カ月の間ずっと売れずに残っていたというのが気になりましたが、現地に行ってみればわかると思いすぐに土地を見に行ってみました。行き道の途中で賃貸併用住宅の2つのプランと家賃収入を想定します。
新築で建築する場合は24平米と少し広めのワンルームにロフトを付けた賃貸住宅が2戸作れます。都心に近い駅から徒歩6分なので1部屋11万円とすると11万円×2戸=22万円が月間の家賃収入になります。この家賃収入を手に入れながら2LDK50平米・ロフト25平米付きの新築の自宅に住めるのはかなり良いプランです。
古家をフルリフォーム・リノベーションをする場合は既存の建物の大きさになりますので、住宅ローンが使えるように少しだけ広い2階を自宅にして、1階を細かく部屋で区切ったシェアハウスにします。家賃収入はシェアハウスの個室1つで5.5万円として5.5万円×4部屋=22万円と、先ほどの新築ワンルーム2戸と同じになります。
ただしフルリフォームならば土地と建物の取得総額が抑えされるので、利回り(投資効率)としては中古住宅のフルリフォームに軍配が上がります。とはいえシェアハウスは運営費が高く入退去のサイクルも短いので一長一短といったところです。
ただ、そんな妄想も現地を見てすぐに砕け散ってしまいました。なんとこの土地は崖の上にあり、土地のある場所に行くには階段を上るか急な坂道を上がっていくしかありません。しかも土地のすぐ横は6メートルほどの高さの擁壁になっており、もしこの擁壁の耐久性に問題があるとなったら補修に何百万円かかるか分かりません。下手をすると1千万円以上の工事費が必要です。
土地の販売図面をよく見てみると、「地勢:ひな段」「備考:本物件は東京都建築安全条例第6条(通称がけ条例)が適用されます」と書いてあります。高い崖の上の土地、狭い前面道路、階段や急な坂を登る必要がある立地、とかなりの上級者向けの土地でした。いくら土地の坪単価が安くても大きなリスクを持つ土地を購入することはできません。
土地の購入には現地と周辺環境をよく調べることの大切さを思い知らされた物件でした。
まだまだ賃貸併用住宅の土地探し・中古住宅探しは続きます。お楽しみに。