賃貸併用住宅の最大のメリットは住宅ローンで収益物件を購入できる事にありますが、自宅部分の床面積が全体の1/2以上である必要があります。つまり建物全体に対して、賃貸住宅として利用できる床面積は半分以下ということです。
スルガ銀行とゆうちょ銀行では自宅部分が1/3以上でも住宅ローンを借り入れできますが、金利が高いためあまりメリットはありません。結局住宅ローンという優遇されたローンを利用するには、賃貸住宅の床面積が制限される事を前提に考えておく必要があるのです。
住宅ローンを前提にしない賃貸併用住宅
ただ家賃収入を最大化させるならば、住宅ローンを前提にせず賃貸住宅の割合が大きくなる建物を建築したり購入するほうが手元に残る現金は多くなります。
大型の建物を建ててそのごく一部に居住するという方法もあるわけです。この場合は賃貸併用住宅というよりは、アパート一棟やマンション一棟を不動産投資として建築または購入し、その一室に住むという形式になります。
住宅ローンで賃貸併用住宅を購入できる前提条件である自宅床面積が1/2以上には当てはまらなくなるので、自分と家族が住む場合でも住宅ローンは使えずアパートローンで購入する必要があります。
アパートローンは借り入れが大変
住宅ローンと違いアパートローンは事業性ローンですので、賃貸経営者として家賃収入の想定を元に、キチンとローン返済していけるという根拠を銀行に説明する事を求められます。
つまり事業者の一人として事業計画書を作成し、いかに今回の賃貸経営が堅実であり、リスクに対しても自分が対処できるかを説明する事になるのです。当然いままでに不動産投資や賃貸経営の経験がある投資家のほうが有利になります。実績という大きなプラスの材料があるからです。
これから初めて不動産投資をする人の場合は実績がないために、賃貸住宅部分を大きくして多額の家賃収入を狙う方法は難しいです。
ただ賃貸併用住宅を建てようとして間取り図を検討しているうちに、賃貸住宅を増やすほうが自然な間取りができたり、広い土地をすでに所有していて大きな賃貸併用住宅を建てることができる場合ならば、アパートローンを借り入れて家賃収入を最大化させるほうが良いでしょう。
ゼロから始める人は住宅ローンを前提としておく
色々と賃貸併用住宅において住宅ローン以外のローン利用について書きましたが、不動産投資の実績があったり、偶然賃貸住宅を作るのに都合の良い土地だったり、地主として土地を所有している必要があるなど、ゼロから始める人にはアパートローンでの賃貸併用住宅は向いていない場合がほとんどです。
やはり低金利かつ長期間の借入ができる住宅ローンを利用して、家賃収入が少なくても破綻の可能性が低い堅実な不動産投資を初めて実績や経験を積むようにしましょう。手元に残るお金は少なく見えますが、住宅ローンは金利が低い分だけ元金返済が早く進んで行きますので、現金はなくても家という形で資産が増えていきます。
コツコツと住宅ローンを返済するだけで資産が増えていく低リスクの不動産投資は他にはありません。賃貸併用住宅はやはり住宅ローンとの組み合わせが王道であり、アパートローンは家賃収入がかなり多く見込める場合だけ検討するのが自然です。賃貸併用住宅の間取りは住宅ローンを借りるため、自宅部分を半分以上確保した建築プランを考えるクセをつけておく事をオススメします。