賃貸併用住宅を中古で取得する場合の注意点

中古物件として売り出されている賃貸併用住宅はとても少ないです。大手の不動産情報サイトでも掲載数は全国100件前後ですから、探している地域にある物件は多くて数件、ほとんどの地域では0件です。これでは探すことすらできません。

ただし中古住宅は200,000件もありますから、これらの中古住宅をリフォームすることで賃貸併用住宅を作り出すことができます。さらにアパート一棟を購入して、自宅部分を作り出すという方法も可能です。工夫すれば中古物件で安く賃貸併用住宅を取得することが可能になってきます。

中古の賃貸併用住宅の購入、中古住宅リフォーム、中古アパート(中古ビル)リフォームの主に3種類の方法があるということです。

賃貸併用住宅は中古物件を探すことだけではない


新しく中古住宅を探すだけでなく、すでに中古住宅を所有している人はリフォームさえ済ませれば賃貸併用住宅を作り出す事ができます。自宅を所有している人はたくさんいますし、実家で親が広すぎて持て余している家があるとか、空き家になっている家がある場合、立地が良ければリフォームによって賃貸住宅部分を作ることができます。

中古の賃貸併用住宅を取得する場合は大きく中古住宅を持っている場合と持っていない場合に分かれますので、それぞれに分けて賃貸併用住宅を取得する方法を見ていきましょう。

住宅を所有していない場合


まず探す物件の種類によって手間が変わってきます。ほとんど選択肢がないものの、うまく中古で売りに出された賃貸併用住宅を買うことができれば住宅ローンで中古住宅を買うのと何も変わらず手間がかかりません。中古アパートや中古住宅を買ってリフォームする場合は様々なプロの手助けを必要としますが、立地の良い場所で驚くほど安く賃貸併用住宅を作り出すことができます。

探す物件によって必要な取得手順は変わってきますが、賃貸併用住宅の場合は自宅もセットになっていますので購入対象地域は限定されるため、基本的には対象地域の3つのタイプ全ての物件を見ておくことが必要になります。地域限定で探すとどうしても物件の数が減り、物件種類を絞ると一生買いたい物件が出てこない場合もあるからです。

中古の賃貸併用住宅を探す


中古の賃貸併用住宅は市場にほとんど売り物件がありませんので、情報提供を行っているウェブサイトや不動産会社に対して見つけしだい全てに問合せるぐらいの勢いで情報収集をしてください。

もし探している地域で賃貸併用住宅が見つかってもあまり良い物件ではなかったり、大きな問題を抱えている場合が多いです。というのも、賃貸併用住宅は非常に低リスクであるために金銭的に苦しくなって売りに出されることはほとんどなく、売りに出されるという事はよほどの事情が無い限りないという背景があるためです。

購入するまでは大変ですが、一度取得してしまえば経済的に破綻することもなく地道に家賃収入を受け取ることができるという大きなメリットが手に入ります。購入候補を見つけるまで粘り強く探してみてください。

中古の一棟アパートや小型中古ビルを探す


意外にも売り物件の数が多いため探しやすく、もともとが賃貸住宅や賃貸オフィス・貸店舗であるので賃貸需要のある立地である場合がほとんどのため、上手く自宅部分を作り出すことができれば単純なリフォームで素晴らしい立地の賃貸併用住宅を入手することが可能です。

しかも2戸一棟の小さなアパートの場合、面積が広い部屋を自宅部分とすれば大掛かりなリフォームすら必要なく中古の賃貸併用住宅を住宅ローンで購入することができます。大きめのアパートでも多くの場合は木造ですので、2部屋~3部屋の壁をぶち抜いて自宅の1部屋にしてしまうのは簡単です。

さらに物件購入の競合はアパートローンの利用ですので金利も住宅ローンに比べて高く、審査結果が出るまでも遅いので、買いたい物件が競争になっても有利です。収益不動産専門サイトを使って様々な不動産会社に問合せ、繋がりを作っておけば自然と情報が集まるようになるはずです。

中古の一戸建てを探す


売り物件の数がずば抜けて多いため、探している地域の売り物件を根気よく見続けていると、割安な物件や格安物件を見つけることが可能です。さらに売れ残りの中古住宅に対し、数か月間売れずに売主がしびれを切らす頃合いを見計らって、値引き(指値)交渉を仕掛けて安く買う方法もあります。

ただし数が多くても賃貸併用住宅として使える物件はそんなに多くありません。もともとが一世帯で使うための設計になっているため、複数の世帯が出入りすることを想定した造りになっておらず玄関ドアの設置ができない構造になっていることが多いです。

さらに特定の自治体で定めた条例では、普通の一戸建てなら建築できるけどアパートのような集合住宅は建築してはいけない土地とか、アパートとして利用するなら隣地との間を広げる必要があるなど、いつくかの条件をクリアする必要があります。

そのため建築について自ら勉強をするか、建築に詳しいプロの力を借りて購入候補となる中古住宅の条件を決めましょう。できれば実際に中古住宅を探し、良いと思った物件が実際に賃貸併用住宅に改修できるのか聞きながら実践で学んでいくのが早いです。場数を踏んで経験を蓄えていってください。

住宅を所有している場合


中古住宅を所有している場合は選択肢が増えます。すでに自由に利用できる中古住宅がある場合、その物件を売りに出して違う立地の物件に買い替えるか、そのまま所有物件をリフォームして賃貸併用住宅に仕上げるかの2つの方法があります。

特に所有している住宅を売却するという決断をすることは大切です。なぜかと言うと賃貸併用住宅に向いている立地と建物構造の中古住宅はほとんどないためです。賃貸需要が無いかもしくは少ない地域ではそもそも賃貸経営が成り立ちませんし、複数の居住世帯が出入りできるように作り替えることができないこともあるためです。

ちなみに所有している住宅がマンションの場合はリフォームで賃貸併用住宅を作り上げることはほぼ無理です。マンションの管理規約で禁止されていることが多いですし、出入り口を複数作ることができないためです。ただしシェアハウスのようにリビングを共有するような形でしたらマンションも可能ではありますが、基本的には難しいと考えるほうが良いです。

ただしリフォームだけで賃貸併用住宅を取得できるのが一番購入金額が少なくて済みますので、プロの意見を取り入れながら何とか工夫して作り上げる努力をするだけの価値はあります。それぞれについて詳しい内容を見ていきましょう。

所有物件を売却する場合


都市部の好立地にあり間口が広い物件でない限り、所有している中古住宅を賃貸併用住宅にリフォームして賃貸住宅を作り出すよりも、できる限り早く売却をして新しい土地で賃貸併用住宅の購入を検討するほうが安定感も収益性も良い場合が多いです。

特に今はアベノミクスやオリンピックに向けた期待感により不動産の値上がりが続き、多少難のある物件でも売りやすい不動産市場になっています。マンションは新築マンションの価格高騰もあり中古マンションでも高く売れますし、一戸建ては景気の良さから住み替え需要が発生し、購入検討している人がたくさんいます。

ただし不動産の売却をするときには偏った情報で間違って売りに出してしまうと失敗してしまいます。必ず複数の不動産会社に売却価格の査定依頼をしてもらいましょう。複数の不動産会社に問合せをするのは時間も手間もかかりますので、インターネット上でできる不動産売却の一括見積りサービスを利用するようにしましょう。

所有している住宅をリフォームする場合


住宅を担保にして銀行からリフォームローンを借り入れれば、手持ち資金をほとんど使わなくても賃貸併用住宅が取得できる方法です。取得するまでの総費用も一番安いので、もし失敗しても破綻する可能性はほとんどありません。

ただし所有物件が賃貸住宅として需要がある立地で、かつリフォームによって賃貸住宅部分が作り出せる建物の大きさや間取りになっていなければなりません。さらにリフォーム費用は無駄やボッタクリが横行する世界ですので、無駄な工事や不当な利益の上乗せを見抜く必要もあります。

所有している中古住宅のリフォームをする前に、建築やリフォームに詳しい人の意見を聞いて所有物件が賃貸併用住宅として家賃収入が得られる物件に改修できるかどうかを聞きましょう。賃貸経営が成り立つかどうかの見極めも必要ですので、賃貸住宅の仲介を行う不動産会社にも意見を聞くことが必要です。

様々なプロの力を集結して賃貸併用住宅を仕上げる必要がありますが、各分野のプロは豊富にいますのでどんどん巻き込みながら企画を練り上げていってください。

中古住宅を所有している場合は常に売却を検討しておく


中古住宅を持っている場合は売却するという選択肢がありますので、まずは売却金額の査定依頼を出すついでに、リフォームで賃貸併用住宅が成り立つ立地かどうか、多くの不動産会社に問合せをしてみるのが一石二鳥の方法になります。

最近の市況の良さもあり、売却査定金額が予想以上に高くなることもありますので、まずは不動産の売却査定依頼を一括して問合せできるサイトを利用して、不動産会社と繋がりを持つことが大切です。